東京都小笠原村、小笠原諸島の北部に位置するのが聟島列島(むこじまれっとう)で、聟島の南東5kmほどにあり、聟島に次ぐ大きな島が媒島(なこうどじま)。父島の北50kmほどにある無人島で、世界自然遺産「小笠原諸島」の構成資産にもなっています。
聟島(むこじま)と嫁島の間にある、仲人役の島
小笠原諸島は、小笠原群島、火山(硫黄)列島、沖ノ鳥島、南鳥島の総称で、小笠原群島は、北側から聟島列島、父島列島、母島列島で構成されていいます。
聟島列島の無人島が、媒島で、北の聟島(婿の島の意)と南の嫁島の間(嫁島の北14kmに媒島)にあるので、媒(仲人・なこうど)というわけです。
嘉永6年(1853年)、ペリーが小笠原に立ち寄ったことがわかると、小笠原の領有問題が懸案となります。
幕末に幕府は、小笠原諸島に外国奉行・水野忠徳(みずのただのり)を団長として幕府海軍が保有していた蒸気コルベット軍艦「咸臨丸」(かんりんまる)で派遣団を送り、有人島の場合には日本の属島であり、巡視の目的は開拓のためであることを伝え、将来送る日本からの移民と和合して暮らしていくことを提案しています。
島を巡った際、「あたかも、一つの家族のように見える」ということで島々の名を父島、母島、聟島、媒島などと定めたのです(それまでは、英名などで呼ばれていました)。
明治時代に入植が始められ、牛やヤギの放牧、サツマイモ栽培などが行なわれましたが、戦時中に無人島となり、現在では野生化したヤギを駆除した上で植生回復事業が行なわれています。
島内では、戦後としては初となる小笠原諸島でのアホウドリの繁殖も確認され、貴重な小笠原の自然が保たれています。
島の西に鳥島、北に眼鏡岩と呼ばれる島や岩礁があり、周辺の海域は釣り場として人気。
周囲の断崖にはカツオドリが生息しています。
ドルフィンスイムやダイビングツアーを利用すれば、聟島を海上から眺めることができます。
林野庁の森林生態系保護地域の保全地区に設定されているため、許可がない場合には上陸できません。
媒島 | |
名称 | 媒島/なこうどじま |
所在地 | 東京都小笠原村聟島媒島 |
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