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本郷弓町のクス

本郷弓町のクス

東京都文京区本郷1丁目、住宅街の一角にそびえる楠(クスノキ)の巨木が、本郷弓町のクス(ほんごうゆみちょうのくす)。樹高20m、幹周り8.5m、推定樹齢600年という。司馬遼太郎の『街道をゆく』本郷界隈にも、江戸時代から有名だった楠ということで登場しています。文京区保護樹木に指定。

本郷台地にそびえる巨大なクスノキ

司馬遼太郎の『街道をゆく』本郷界隈では「甲斐庄喜右衛門の屋敷跡にいまも一樹で森を思わせるほどのクスノキがそびえている」と記され、さらに江戸時代には「本郷のクスノキ」と呼ばれ有名だったというと解説されています。

甲斐庄喜右衛門は江戸切絵図に記載のある旗本で、楠木正成の後裔を自称し、河内国錦部郡甲斐庄(現・大阪府河内長野市一帯)を領有して甲斐庄を名乗ったのだとか。
戦国時代末に一族のひとり、甲斐庄兵右衛門正治が徳川家康に仕え、関ヶ原の合戦、大坂の陣で武功を上げて、旗本となったと伝えられます。
甲斐庄4代の甲斐庄正親は、江戸南町奉行を務めています。
明治維新後は楠姓を名乗ったため、「楠亭の大クス」とも称されるように。

明治5年には本郷弓町となり、昭和40年に本郷1丁目に変わりましたが、旧町名の本郷弓町のクスが通称になっています。
毎年5月〜6月には美しいクリーム色の花を咲かせています。

かつての本郷台地は、常緑樹のシイノキが茂っていました。
太平洋戦争では文京区内の大半が焼け野原となりましたが根津、西片、弥生、本郷周辺は、戦災を免れています。
周辺では、善光寺坂のムクノキ(文京区小石川3丁目/東京大空襲によって上部が焼失)、光圓寺のイチョウ(文京区小石川4丁目/戦前は日本一の大銀杏とされていましたが東京大空襲で上部が焼失、幹の内部も空洞化)などの巨木が知られています。

本郷弓町のクス近く、本郷瀬川ビルでは、「発酵するカフェ 麹中-Koujichu-」も営業し、発酵定食などを味わうことができます。

本郷弓町のクス
名称 本郷弓町のクス/ほんごうゆみちょうのくす
所在地 東京都文京区本郷1-28-32
関連HP 文京区観光協会公式ホームページ
電車・バスで 東京メトロ・都営地下鉄本郷三丁目駅から徒歩10分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

善光寺坂のムクノキ

東京都文京区小石川3丁目、慈眼院・沢蔵司稲荷から小石川善光寺へと下る坂道にあるムクの巨木が、善光寺坂のムクノキ。区道817号のポケットパークとし保存される古木で、伝通院中興第一世の廓山(かくざん、後に増上寺13世)が植えたと伝えられています

 

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