東京都交通局令和4年度バス系統別収支状況によれば、都営バス127路線のうち、1日の乗車人数が800人に満たない路線が20以上あり、都心のローカル路線が存在することがわかります。もともと公共交通がなかった場所、鉄道のない南北東西を繋ぐなどそれぞれの理由があるので、簡単には廃止ができないのです。
東京タワーへのバス路線も意外に利用者が少ない
都営バス127路線のうち、もっとも乗車人数の少ない路線は、直行02系統(豊海水産埠頭~東京駅八重洲口)ですが、平日朝片道のみの運行、急行バスという特殊なバスで、令和6年の春改編・ダイヤ改正で廃止となっています。
2位の練68系統(練馬駅~目白駅)は南北の貴重な足ですが、平日の日中(10時台〜17時台)のみ、しかも7往復しかなく、1往復に20人未満しか乗らない計算に。
営業係数もワースト2位で、100円の収入を得るため、251円も費やしています。
3位の田99系統(品川駅港南口~田町駅東口)も営業係数ではワースト4位です。
品川駅港南口~芝浦埠頭~田町駅東口と東京港側を走り、港湾労働者などが活用できる路線で、芝浦・港南地域への足として昭和42年に誕生した路線です(ライバルとして港区が運行する「ちぃばす」がありますが走行ルートが異なります)。
14位の浜95系統(品川車庫前~東京タワー)は、品川駅港南口、田町駅東口、日の出桟橋入口、竹芝桟橋入口、浜松町駅前と東京タワーを結ぶので、水上バスから東京タワーへのアクセスにも使えますが、PR不足のためなのか利用者も1日633人しかいません(早朝便を除いて品川駅港南口発着)。
日中は1時間に2便ほどあります。
この路線、実は都営バスの営業係数ワースト7位となっています。
18位の里48系統(日暮里駅前~見沼代親水公園駅前)は日暮里・舎人ライナーと並走する都営バスですが、いざというときの代行ルートとしての機能が期待されています。
こちらは、営業係数ワースト1位で、100円の収入を得るため、284円も費やしています。
都営バス 乗車人員の少ない路線 TOP20
順位 | 系統 番号 | 運行路線(区間) | 乗車人数 (人/日) | 損益額 (千円) | 営業 係数 |
1位 | 直行02 | 豊海水産埠頭~東京駅八重洲口 | 68 | ▽5,293 | 231 |
2位 | 練68 | 練馬駅~目白駅 | 126 | ▽11,555 | 251 |
3位 | 田99 | 品川駅港南口~田町駅東口 | 161 | ▽16,379 | 216 |
4位 | 反94 | 五反田駅~赤羽橋駅前 | 164 | ▽14,759 | 198 |
5位 | AL01 | 東大島駅前~(小松川さくらホール前循環)~ 東大島駅前 | 324 | ▽9,981 | 179 |
6位 | C・H 01 | 新宿駅西口~(都庁第一本庁舎循環)~ 新宿駅西口 | 344 | ▽15,103 | 154 |
7位 | 飯62 | 小滝橋車庫前~都営飯田橋駅前 | 396 | ▽10,515 | 137 |
8位 | 船28 | 船堀駅前~篠崎駅前 | 406 | ▽23,183 | 177 |
9位 | 臨海22 | 臨海車庫~船堀駅前 | 472 | ▽12,100 | 137 |
10位 | 新小21 | 東新小岩四丁目~一之江駅前 | 481 | ▽19,146 | 151 |
11位 | 井96 | 大井町駅東口~(天王洲アイル循環)~ 大井町駅東口 | 518 | ▽19,083 | 147 |
12位 | 陽20 | 東陽町駅前~東大島駅前 | 601 | ▽13,949 | 134 |
13位 | 梅74 | 裏宿町~(成木循環)~裏宿町 | 628 | ▽52,254 | 212 |
14位 | 浜95 | 品川車庫前~東京タワー | 633 | ▽48,860 | 190 |
15位 | 錦40 | 南千住駅東口~錦糸町駅前 | 641 | ▽16,528 | 136 |
16位 | 西葛26 | 船堀駅前~葛西臨海公園駅前 | 668 | ▽19,259 | 141 |
17位 | 茶07 | 東大構内~(御茶ノ水駅前循環)~東大構内 | 738 | ▽23,706 | 137 |
18位 | 里48 | 日暮里駅前~見沼代親水公園駅前 | 701 | ▽128,234 | 284 |
19位 | 田92 | 品川駅港南口~田町駅東口 | 768 | ▽20,162 | 141 |
20位 | 上01 | 東大構内~(上野公園山下循環)~東大構内 | 778 | ▽17,876 | 129 |
【都営バス誕生100周年】 乗車人数の少ない路線 TOP20 | |
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