【旅先のトイレ問題】 7割が和式トイレの県、女性の行列必至の県はどこ!?

社会課題解決型トイレマップ「TOIMAP」を運営する株式会社KICKsが、全国2万件以上のトイレデータを基盤に、各自治体が公開する「公衆トイレオープンデータ」の分析。トイレの洋式化率、男性個室に対する女性個室の比率を調査し、ランキング形式で発表。気になる旅先のトイレ問題が可視化されています。

家庭のトイレは洋式でも公共施設では和式も残存

公衆トイレオープンデータとして100ヶ所以上の施設が公開されている14都道府県(合計4383ヶ所)が調査の対象。

旅先のトイレ問題でもっとも重視され、訪日外国人なども「もう日本に来たくない」といわせる最大の理由ともいうのが和式トイレ。
国内には和式トイレ支持派もいますが、若い世代を中心に洋式トイレは当たり前の生活環境です。
1977年には洋式と和式の出荷数が逆転、さらに2015年には和式トイレがJIS規格から除外され、すでに工業製品としては存在しないような状況に。
1917年創立で初の国産便器(洋式トイレ)を開発したTOTOによれば、2020年時点のTOTOの和式トイレの出荷数は0.3%ほどだということで、すでに「絶滅危惧種」に。
一般住宅への和式トイレの新規出荷は「ほぼゼロ」ですが、全国の小中学校における洋式化率も6割程度で、震災時の避難所なども含め公共施設でも和式が数多く残されています。
しかもTOTOの出荷する0.3%もほとんどが公共施設とのこと。
不特定多数の人が使うトイレは、和式のほうがいいという声を反映し、和式が残されているのです。

トイレ洋式化率TOP3は、京都、宮城、和歌山

トイレの洋式化率のTOP3は、1位・京都府(96.6%)、2位・宮城県(74.9%)、3位・和歌山県 (74.4%)の順。
京都が抜きん出ているのは、やはり訪日外国人観光客数と、おもてなしの心から洋式トイレの整備が進んだもの。
インバウンド対応と洋式トイレの整備は密接な関係にあることがよくわかります。

逆にワーストで、ほとんど和式という県も。
洋式化率のワースト3、つまりボットン率TOP3が、1位・香川県(洋式化率28.2%)、2位・青森県 (45.6%)、3位: 山口県(45.8%)。
1位の香川県は、和式率が71.8%で、公共施設もまずは和式ということに。
香川県への訪日外国人は台湾、香港、中国のアジア系が大半で、インバウンド受け入れ態勢として洋式トイレの整備は急務となっています。

女性の行列必至の県は、愛知、岩手、香川

調査を行なった株式会社KICKsによると、高齢者や子連れ層の外出を抑制する「トイレ不安」は、年間3000億円以上の経済機会損失があるとのこと。
なかでも近年注目されるのが、「女性トイレの行列」。
その背景が「女性用個室数の不足」で、株式会社KICKsでは、男性個室1つに対する女性個室の比率を算出したところ、スペースの問題からか大都市圏の方が比率が低い、つまりは行列が起きやすい傾向にあることも判明しています。

女性個室比率(対男性個室)TOP3は、1位・京都府(2.20倍)、2位・山口県(1.88倍)、3位・福井県 (1.85倍)。
TOP3といえども2倍程度という意外にも少ない比率です。

女性個室比率(対男性個室)ワースト5は、1位・愛知県(1.27倍)、2位・岩手県(1.29倍)、3位・香川県(1.52倍)、4位・大阪府(1.59倍)、5位・東京都(1.60倍)です。

TOPの京都府とワーストの愛知県では1.7倍という格差があり、愛知県では旅先でトイレに泣かされる女性が多い可能性が大ということに。
愛知県は、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきと考える男性が46.5%と半数近くいる(内閣府、愛知県調べ/2019年)という保守的な県民性で、そうした考えが少しトイレにも反映しているのかもしれません。

【旅先のトイレ問題】 7割が和式トイレの県、女性の行列必至の県はどこ!?
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