普通鉄道・路面電車の走らない沖縄を除き、46都道府県のなかで、唯一「電車の走らない県」が徳島県。同じ四国でも高知県はとさでん交通の電車が走り、愛媛県、香川県にはJRの電化区間があり、徳島県のみが全国で唯一、ディゼルカー(気動車)しか走らないユニークな県になっています。
気動車ファンには、「国鉄型気動車の聖地」に
高松駅(香川県)と徳島駅(徳島県)を結ぶ高徳線は全線が非電化。
特急「うずしお」が運転され、その一部は岡山駅まで直通しますがキハ185系気動車、JR四国2600系気動車、JR四国2700系気動車と、ディゼルカー(気動車)が使用されています。
吉野川に沿って徳島県の東西を結ぶ佐古駅(徳島市)〜佃駅(三好市)の徳島線(よしの川ブルーライン)は、単線で全線非電化です。
春〜秋に運転のトロッコ列車「藍よしのがわトロッコ」もディゼルカー(気動車)です。
徳島駅から徳島県内を海岸沿いに阿波海南駅(海部郡海陽町)へと走る牟岐線(むぎせん/愛称・阿波室戸シーサイドライン)も単線で全線非電化となっています。
徳島県海陽町と高知県東洋町を結ぶ阿佐海岸鉄道は、世界初という線路と道路の両方を走るDMV(デュアル・モード・ビークル)ですが、マイクロバスの改造車両なので、電車ではありません。
そんな電車の走らない徳島県では、ディゼルカー(気動車)のことを「汽車」と呼んでいます。
「汽車」というと蒸気機関車(SL)を連想しますが、多分、SL時代からの踏襲で、汽車と呼んでいるのかもしれません。
JR鳴門線は、もともと明治44年12月23日、阿波電気軌道が鉄道免許を受け(電車による敷設免許)、工事を進めましたが、その途中で電力を供給する予定の徳島水力電気に電力不足が判明、当面はSLによる運行ということで開業しましたが、電化されることなく国有化され、現在に至っています。
歴史に「もし」はありませんが、発電能力が十分だったら、徳島県にも電車が走っていたのかもしれません。
そんな徳島県ですが、気動車ファンには、逆に聖地になっています。
お目当ては、国鉄型の気動車のキハ40形、キハ47形で、残念ながら2025年度から順次、姿を消す予定になっています。
JR四国が使用している国鉄型のディーゼル車はキハ32形気動車、キハ40形気動車、キハ47形気動車、キハ54形気動車、キハ185系気動車の5車種が計50両ほどですが、徳島県内ではこのうちキハ40、キハ47形が多く、まさに聖地となっているのです。
日本全国でただ1県、「電車の走らない県」が四国に! | |
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