サイトアイコン ニッポン旅マガジン

東京23区を代表する「絶景高峰」・飛鳥山は、アスカルゴで登頂

飛鳥山・公共水準点

東京都北区王子1丁目にある飛鳥山公園には標高25.425mの公共基準点があります。江戸時代、8代将軍・徳川吉宗が1270本もの桜を植栽し、庶民にも花見を許したので、西に富士山、東に筑波山を眺める飛鳥山は、遊興の地として発展しました。飛鳥山公園となった山上へはミニケーブルカーのようなアスカルゴが通じています。

自然地形ならば「東京23区第二の高峰」に

歌川広重『江戸名所』飛鳥山花見乃図/国立国会図書館デジタルコレクション

徳川吉宗は享保5年(1720年)から翌享保6年(1721年)にかけて、飛鳥山に1270本もの桜を植えました。
桜といってもクローン種のソメイヨシノはまだなく、吉野山の桜と同じ、ヤマザクラで、現在の飛鳥阿山の春の雰囲気とは異なるものだったと推測できます。

時代としては、享保の改革の最中、江戸の市中に「江戸町火消しいろは四十八組」を設置した頃の話です。
幕府の財政状況は改善したものの、税を納める民衆の負担が増大したために、庶民に遊興の地をと考えたのだと推測できます。

飛鳥山は日本橋から8里(16km)ほどで、江戸庶民の日帰り観光地としても最適で、王子権現(現・王子神社)の参詣などとセットで、飛鳥山界隈を訪ねたのです。

『江戸名所図会』にも「春花秋草夏凉冬雪眺あるの勝地なり」と記され、桜以外でも遊興の地だったことがよくわかります。

飛鳥山は江戸時代からの行楽地で、明治6年には上野公園、深川公園、芝公園、浅草公園など寺の境内を公園にした場所とともに、日本初の都市公園となっていますが、正確な標高が定まったのは、なんと平成20年のこと。

公共基準点が置かれた場所は元々最高点だった場所で、昭和45年に開業、平成5年に廃止された回転式展望タワー「スカイラウンジ」(通称・飛鳥山タワー)があったので、地形はかなり改変されているかと思われます。

ちなみに東京23区の最高峰は、東京都立戸山公園内の箱根山で標高44.6m。
自然地形では愛宕山25.69mなので、自然地形ならば「23区第二の高峰」ということになります。

公共基準点へは散策路で到達もできますが、JR・東京さくらトラム王子駅(中央口)を出た先から飛鳥山モノレール(あすかパークレール)「アスカルゴ」に乗車するのがおすすめです。
モノレールというように、走式モノレール方式の斜行昇降施設。
一見するとケーブルカーのようにも思えますが、よく見ると斜行モノレールなのです。
土休日には並ぶことが多いのですが無料で乗車できるので、異色な乗り物に乗って、東京23区第二の高峰にアタックを!

飛鳥山モノレール(あすかパークレール)「アスカルゴ」
東京23区を代表する「絶景高峰」・飛鳥山は、アスカルゴで登頂
所在地 東京都北区王子1-1
場所 飛鳥山
電車・バスで JR・東京メトロ南北線王子駅から徒歩2分
ドライブで 首都高速王子北ランプから約1.6km
駐車場 21台/有料
問い合わせ 北区道路公園課 TEL:03-3908-9275
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

三角点のあるピークで23区最高峰は、愛宕山

東京23区内で、三角点のあるピークで「23区最高峰」といえるのは、東京都港区愛宕1丁目にある愛宕山。愛宕山は、愛宕神社境内地で、拝殿近くに25.7mの三等三角点があります。出世の石段として知られる男坂の階段を上ると山頂で、自然峰としても東京

東京23区の最低峰は、浅草にある名峰・待乳山!

低山歩きがブームを呼んでいますが、東京23区の「超低山歩き」が隠れたブームになっています。そんな超低山マニアに注目されるのが、「東京23区の最低峰」。しかも人工の築山ではなく、自然峰というのが台東区浅草の待乳山(まつちやま)で、国土地理院の

飛鳥山山頂モニュメント(公共基準点)

東京23区の自然地形の最高峰は、標高25.7mの愛宕山(港区)。愛宕神社の境内に三等三角点があって、自然地形の「山」としては23区の最高峰と認定されています。北区では飛鳥山山頂の位置を表す公共基準点を設置。その標高は25.4mと30cmほど

飛鳥山公園モノレール(あすかパークレール)

徳川吉宗が山桜を植栽し、江戸時代から桜の名所として名高い、王子、飛鳥山公園(東京都北区)。飛鳥山と呼ばれるような「山」ゆえに、年配の人や妊婦などには階段が大きな障害に。そこで北区がバリアフリー化の波に乗って平成21年に開通させたのが、ユニー

飛鳥山公園

東京都北区、JR王子駅前にある桜、アジサイの名所としても名高い区立公園が、飛鳥山公園(あすかやまこうえん)。明治6年、上野、芝、浅草、深川公園とともに太政官布達で開園した日本最初の公園。王子駅から高台の園地へは、あすかパークレール「アスカル

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了