徳島市にある「阿波の法隆寺」、「阿波の正倉院」とも呼ばれる文化財の宝庫となっている古刹が丈六寺(じょうろくじ)。正式名は、瑞麟山慈雲院丈六寺という曹洞宗の寺。寺伝によれば、白雉元年(650年)、天真正覚尼が庵を構えたことに始まるといいますが史実としては定かでありません。
徳島県最古と伝わる古刹は、戦国大名や蜂須賀家が帰依した禅寺
長享・延徳年間頃(1487年~1491年)、阿波国・三河国・讃岐国の守護大名・細川成之(ほそかわしげゆき=東山文化を代表する文化人)が曹洞宗に改めて中興しています。
藩政時代には徳島藩主・蜂須賀家歴代藩主の庇護を受けて繁栄しました。
室町時代末期築の三門、寛永6年(1629年)に蜂須賀家政が再建の方丈(本堂)、慶安元年(1648年)再建の観音堂、永禄10年(1567年)に細川真之が僧堂(座禅堂)として建立した経蔵は国の重要文化財。
観音堂に安置されている本尊の聖観世音菩薩坐像は、平安時代末期の作で国の重要文化財。
立てば一丈六尺(約4.8m)になることから丈六仏と呼ばれ、丈六寺という寺名の由来になっています。
伽藍配置は曹洞宗伽藍配置を基本にしていますが江戸時代に黄檗伽藍が加味されています。
いずれにしても四国にある貴重な禅宗伽藍の寺で、禅宗らしい凛とした雰囲気も満喫しましょう。
境内には細川成之、細川持隆(ほそかわもちたか=阿波守護で第34代室町幕府管領の細川晴元は従弟/見性寺で暗殺されています)、細川真之(ほそかわさねゆき=細川持隆の子)の墓があります。
また、土佐の戦国大名・長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)が那賀郡を領有した牛岐城主・新開入道道善を丈六寺で開いた酒宴の後、縁側で謀殺したと伝えられ、その時の血で染まった縁側の板が徳雲院(細川持隆建立の塔頭、徳雲は細川持隆の法名)の天井板だとされています。
11月1日~11月3日に秋の特別公開が行なわれ、本堂・庭園、細川真之寄建立の観音堂、観音堂安置の重要文化財の本尊・聖観世音菩薩坐像の拝観が可能。
阿波秩父観音霊場第24番札所にもなっています。
丈六寺 | |
名称 | 丈六寺/じょうろくじ |
所在地 | 徳島県徳島市丈六町丈領32 |
関連HP | 徳島市公式ホームページ |
電車・バスで | JR徳島駅から徳島市営バス五滝、八多、大久保行きで丈六北下車、徒歩2分 |
ドライブで | 徳島自動車道徳島ICから約11.5km。または、神戸淡路鳴門自動車道鳴門ICから約20.5km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 丈六寺 TEL:088-645-0334 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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