富山県氷見市の丘陵部の末端に位置する全長107.5m(前方部53.5m・後方部54m)の前方後方墳(方形の墳丘に方形の前方部がつけられたもの)が柳田布尾山古墳。前方後方墳としては全国で10番目、日本海側では最大の大きさ(2位は島根県の山代二子塚古墳で全長92m)。前方後円墳を含めても北陸では第4位の大きさで能登以東では日本海側最大。
能登以北の日本海側で最大の古墳
柳田布尾山古墳は、前方後方墳ですが、越中・能登にある前方後円墳よりも巨大な古墳で、前方部裾には深さ1.2~2.3mの周濠も残されています。
残念ながら後方部は盗掘を受け、副葬品は見つかっていません。
古墳時代前期前半(3世紀末から4世紀初頭=ヤマト王権の初期)のもので、北陸東部の日本海側で強大な勢力を誇った大首長の墓と推定されています。
氷見は越中・能登の境で、海を見渡す立地と十二町潟(内陸に広がった入江)の存在から富山湾や日本海の海上交通も掌握していたと考えられています。
古墳の形と大きさは、被葬者のヤマト王権内における政治的身分を端的に表しているので、氷見には、富山湾一帯に権勢をふるった、古代・越国(こしのくに)屈指の首長がいたことがわかります。
十二町潟という天然の良港がその権力を支えていたのかもしれません。
一帯は柳田布尾山古墳公園として整備され、入場無料の古墳館も建っています。
ちなみに北陸最大の古墳は、福井県坂井市の六呂瀬山一号墳(六呂瀬山古墳群)で、2位が繰ヶ城山古墳(松岡古墳群/福井県永平寺町)で、ともに前方後円墳です。
名称 | 柳田布尾山古墳/やないだぬのおやまこふん |
所在地 | 富山県氷見市柳田布尾山 |
関連HP | 氷見市公式ホームページ |
電車・バスで | JR氷見駅からタクシーで10分。または、JR高岡駅から加越能バス守山経由氷見方面行きで柳田南下車、徒歩10分 |
ドライブで | 能越自動車道氷見ICから約7.5km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 柳田布尾山古墳公園古墳館 TEL:0766-74-8211 |
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