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剱沢雪渓

剱沢雪渓

富山県中新川郡立山町、剱岳(2999m)の南、別山(2880m)、剱御前岳(2776.8m)から剱岳の南東を削るU字谷(氷河地形)が剱沢で、真砂沢との出合にある真砂沢ロッジ(1760m)の上部に剱沢雪渓があり、白馬大雪渓、針ノ木大雪渓と並び、日本三大雪渓にも数えられています。

「岩と雪の殿堂」と呼ばれる景観が展開!

剱沢雪渓の途中には、北側の剱岳本峰へと詰め上がる長次郎谷(ちょうじろうたん)、平蔵谷(へいぞうたん)が伸び、そのいずれにも雪渓ができています。
長次郎谷は、陸軍参謀本部陸地測量部(現在の国土地理院)が剱岳に三角点を設置し、測量を行なうため、明治40年7月13日に初登頂(歴史に残る近代登山として、初めての登頂)する際、山案内を行なった、名ガイド・宇治長次郎(うじちょうじろう)の名を採った沢です。
新田次郎の山岳小説『劒岳 点の記』はその苦労談を小説にしたもので、平成21年に同名で映画化され話題に。
映画で香川照之が演じたのが宇治長次郎です。

平蔵谷は、剱岳残雪期の入門ルートとなっていますが、大正2年に日本山岳会の近藤茂吉を長次郎谷から剱岳へと案内し、剱岳から別山への初下降を実現させた佐伯平蔵を讃え、近藤茂吉が名付けたもの(実際にはそれ以前に宇治長次郎が谷を下っていますが、すでに長次郎の名の付く谷が横にあるため、佐伯平蔵の名を冠した谷に)。
実は長次郎と平蔵は芦峅寺の案内人(立山ガイドの草分け)で、無二の親友。
それを知る近藤茂吉が仲良く並ぶふたつの谷に、近代登山黎明期の名ガイドの名を付けたのです(昭和7年の地形図から平蔵谷の名が採用されています)。

この剱沢雪渓から剱岳本峰へと突き上げる長次郎谷、平蔵谷、そしてその間の源次郎尾根は、「岩と雪の殿堂」と呼ばれる剱岳を象徴する景観になっているのです。

剱沢雪渓の登山道は、近年の温暖化の影響を受け、夏の後半以降には雪渓のトラバースができずに迂回路を設けるなどの対策が取られているので、晩夏の入山の際には注意が必要。

ちなみに剱岳では三ノ窓雪渓、小窓雪渓が近年、氷河に認定されていますが、剱沢雪渓より巨大なしかも移動する氷体があるということに(三ノ窓雪渓は国内最大の氷河です)。

剱沢雪渓
名称 剱沢雪渓/つるぎさわせっけい
所在地 富山県中新川郡立山町芦峅寺
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

剱岳

富山県の上市町・立山町、北アルプス北部の秀峰が剱岳(つるぎだけ)。標高は2999mで、惜しくも3000m峰ではありませんが、日本第24位の高峰。山頂に三角点を設置するエピソードを描いた新田次郎の山岳小説『劒岳 点の記』でも有名です。三ノ窓雪

日本三大雪渓とは!?

北アルプスの白馬大雪渓、針ノ木大雪渓、そして剱沢雪渓が日本三大雪渓と通称されています。白馬大雪渓に関しては文句ない規模ですが、実は剱岳には近年氷河だと認定された、日本最大の氷河、三ノ窓雪渓、さらに東北の飯豊山にも石転び沢雪渓があり、三大雪渓

 

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