全国の離島で、イノシシ被害が発生しています。宮崎県延岡市の2kmほど沖合の離島・島浦島でイノシシの目撃例が増大し、農作物の被害も発生。そして瀬戸内海の小豆島でも絶滅したといわれるイノシシが2010年頃から復活、農業被害も生まれています。はたしてイノシシはどこから来たのでしょう!?
イノシシがいない島が、数年で「イノシシ島」に!
延岡市の離島・島浦島でイノシシが初めて目撃されたのは、2016年。
その後、数を増やしているので、単体で海を渡ったのではなく、少なくともオスメス各1頭以上が、新しいテリトリーを求めて海を渡ったのだと推測できます。
島の住民によれば、「対岸の九州本土から泳いで渡ってくる」とのこと。
原因は本土側のイノシシが増加し、安全な繁殖地を探し求めて海を渡るのだとか。
本土と島浦島の間は、最短でも1.5kmほど。
島はリアス式海岸で切り立った断崖で囲まれているので、港周辺の平坦地に上陸したのだと推測できます。
もうひとつ、農業被害が拡大しているのが、瀬戸内海の小豆島(香川県)。
1975年頃までは絶滅で小豆島にイノシシは生息していませんでしたが、2010年頃から目撃例とともに農業被害が拡大していきます。
香川県では男木島(おぎじま)もイノシシ被害で悩まされ、最新のドローン×赤外線技術を活用しての調査も行なわれています。
同様に佐賀県唐津市鎮西町の加唐島(かからしま=佐賀県最北端の島)も、2000年頃まではイノシシがいない島でしたが、2015年には「イノシシ島」と呼ばれるようになるほど、イノシシが増大。
島民の3倍の300頭ものイノシシが生息しているのです。
狭い離島ということもあって、捕獲は箱罠(はこわな)に頼ることになりますが、それではイノシシの繁殖力に追いつかず、一度侵入を許すと、瞬く間に「イノシシ島」になってしまうということに。
離島で外来生物が侵入すると生態系が破壊され、農業だけでなく様々な影響が出るので(本来は夜行性のイノシシが昼間にも出没)、今や全国的にイノシシ侵入は大きな問題になっているのです。
| 離島でイノシシ出没! イノシシは海を泳いで渡る!? | |
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