2024年8月1日(木)〜8月31日(土)10:00〜17:00、東京都台東区谷中の全生庵で『谷中圓朝まつり』が開催。怪談噺、人情噺を得意とした(故)三遊亭圓朝を偲び、墓所のある全生庵を会場として行なわれるイベント。期間中は、圓朝が怪談創作の参考に収集した幽霊画(全生庵所蔵)を一般に公開(拝観料が必要)。
三遊亭圓朝遣愛の幽霊画を公開
谷中にある全生庵(ぜんしょうあん)は、山岡鉄舟(やまおかてっしゅう=幕末の幕臣で、駿府で西郷隆盛と面談、江戸城無血開城の立役者に、「幕末の三舟」のひとり)が明治維新の際に国事に殉じた人々の菩提を弔うため、明治16年に創建。
その本尊はかつて江戸城の守り本尊だった平安時代後期の作という木造観音菩薩坐像(徳川家康の孫・千姫が京・東福寺塔頭から江戸城に遷す)で、葵正観世音菩薩(「葵観音」)と称されています。
全生庵には、山岡鉄舟との縁で落語家で、歴代の名人の中でも別格に巧いとされる初代・三遊亭圓朝(さんゆうていえんちょう)の墓所があり、圓朝遣愛の幽霊画50幅が所蔵されています。
怪談噺の参考にと蒐集(しゅうしゅう)したものです。
三遊亭圓朝は、明治10年、山岡鉄舟の義兄・高橋泥舟(たかはしでいしゅう=鉄舟、勝海舟と並んで「幕末の三舟」)の紹介で鉄舟と知り合い、禅の師としています。
三遊亭圓朝は明治33年8月11日没で、全生庵で『圓朝忌』が営まれています。
全生庵が収蔵する幽霊画は、池田綾岡『皿屋敷』、鰭崎英朋『蚊帳の前の幽霊』、伊藤晴雨『怪談乳房榎図』(かいだんちぶさえのきず)、伝・円山応挙『幽霊図』など。
「怪談乳房榎図」は、後に歌舞伎化もされた圓朝作の怪談の一場面で、弟子によって殺害され、幽霊となった絵師・菱川重信が息子を抱えて水中から現れたシーンを描いています(コレクション随一のすさまじい形相に注目!)。
池田綾岡『皿屋敷』は一見すると普通の婦人画のようにも見えますが、よく見ると右の袂が透けており、襖絵が菊であることから皿屋敷のお菊であることがうかがえます。
『谷中圓朝まつり』期間中に公開されるのは虫干しを兼ねてとのこと。
NHK大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』のなかに『富久』(とみきゅう)という名が出てきます。
ビートたけしが演じる5代目・古今亭志ん生師匠と、若き日の志ん生・森山未來演じる美濃部孝三のふたりが語る架空の落語『オリンピック噺』にのせて物語は進行しますが、ここで登場するのが『富久』、『付け馬』、『芝浜』、『鰍沢』などの落語。
この『富久』が、初代・三遊亭圓朝の作です。
谷中圓朝まつり|台東区|2024 | |
開催日時 | 2024年8月1日(木)〜8月31日(土)10:00〜17:00 |
所在地 | 東京都台東区谷中5-4-7 |
場所 | 全生庵 |
関連HP | 台東区公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ千代田線千駄木駅から徒歩5分 |
問い合わせ | 全生庵 TEL:03-3821-4715 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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