鳥取県鳥取市の青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき)から、弥生人110体以上の人骨がバラバラの状態で溝から出土。2021年10月には最初の弥生人復顔が行なわれ、2024年3月には2人目の弥生人が1800年の眠りから復活。2025年3月20日(木・祝)には3体目となる女性の復顔の公開も予定されています。
縄文寄りの中年男性、渡来人系の美少年を復顔
「倭人」の成り立ち、とくに縄文人と弥生人の関係については、長く深い論争が繰り広げられてきました。
そんななかで、注目されるのが、青谷上寺地遺跡から出土した人骨「青谷弥生人」のDNA解析です。
2021年にはDNA情報をもとに「青谷弥生人」を復顔、後に「青谷上寺朗」(あおやかみじろう)と命名されています。
遺伝的にやや縄文寄りの集団に入る中年男性が青谷上寺朗で、2022年5月にはAIの判定で『青谷弥生人そっくりさんグランプリ』も行なわれていますが、グランプリからは、かなりそっくりな現代人も多数いることが判明しています。
2024年3月に復顔の2体目は、渡来系の集団に含まれる10代前半とみられる男性。
DNA情報から、髪が太く、肌の色調はやや濃いめ、二重まぶた、耳あかは「乾燥タイプ」、アルコール耐性が高かったといった特徴までが詳細に推定されています。
当初は女性だと思われていた人骨で、「女性だと思って研究していたら男の子だったと分かり、びっくりするぐらいかわいらしい子どもが出てきた」(復顔像の除幕式で平井伸治知事)とのこと。
比較的保存状態がよかった3個体の中から候補を絞り込み、若い女性とみられた1個体の復顔を開始(後に若年であったことにより、男性的な特徴がまだ骨格に表れていなかったことが明らかに)、2022年9月にDNAの抽出に成功し、男性特有の「Y染色体」が含まれていることが判明し、その後の解析で男性と決定づけられたのです。
このアイドル的なイケメンの青年は渡来系の集団ということで2024年7月、公募で「青谷来渡」(あおやらいと)という粋な名前が付けられています。
2025年3月20日(木・祝)に復顔が公開される予定の「弥生人女性」は、
- 1800年前の青谷に暮らしていた弥生人
- 母方が渡来系
- 面長
- 肌はやや明るい色
- 瞳は黒色
- 二重まぶた
という特徴があり、30歳前後の顔に復顔することになっています。
また、想像で女性の顔を描くイラスト応募企画もスタート(応募方法:郵送・持参・応募フォームのいずれか、手書き原画、デジタルデータいずれも可/女性復顔像公開後、来園者の投票により優秀賞1点決定)。
友人や家族に「そっくりさん」も!? 弥生人の骨とDNNを解析して復顔 | |
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