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観音平

観音平

八ヶ岳連峰の最南、編笠山(標高2523.9m)の中腹、標高1560mにある展望所が観音平。中世には府中(現・甲府市)の武田館へ急を告げる武田家の狼煙台(のろしだい)のあったところで、南アルプスと富士山、眼下の小淵沢という、大パノラマが広がっています。駐車場から展望台まで全長1km、片道20分の観音遊歩道も整備。

富士山、甲斐駒ケ岳眺望の地は、甲斐源氏の聖地!

徳富蘇峰筆の石碑
紅葉の時期には遠望も

甲斐源氏の祖・新羅三郎義光が三井寺(滋賀県大津市)から空海自刻の矢の観音を譲り受け、鷹の白矢を献じて義光山矢の堂を創建、武運長久を祈願したという「観世音矢の堂」伝説が残されています。

こうした伝承で、観音平は甲斐源氏の聖地として信仰の対象となったのです。

武田信玄も天文11年(1542年)10月、大門峠の戦いの際、その途上で観音平に立ち寄り、戦勝を祈願したと伝えられています。
その後、武田家の滅亡とともに荒廃し、お堂は安永10年(1781年)に小淵沢(現・北杜市小淵沢町2139)に移されました。
現在、矢の堂自体はまちなかに移され、観音平には矢の堂跡が残るのみです。
「南無観世音菩薩」と彫られた石碑は、徳富蘇峰の筆。

初夏(6月初旬頃)にはレンゲツツジも彩りを添え、秋の紅葉も見事。
カラマツ、ナナカマド、コナラ、クヌギなどが色づく紅葉の見頃は、例年10月中旬~下旬。
山梨県道11号(八ヶ岳高原ライン)の観音平入口と観音平を結ぶ山梨県道618号(観音平久保線)は、例年4月〜12月が通行可能期間です。
観音平までの山梨県道618号途中にある富士見平は、富士山の好展望地になっています。

観音平と天女山、さらには美森山を結び、八ヶ岳の中腹を横断する八ヶ岳横断歩道も整備されています。

八ヶ岳横断歩道 観音平→天女山標準コースタイム

観音平〜(徒歩35分)〜権現岳分岐(権現岳登山道)〜(徒歩15分)〜三味線滝〜(徒歩40分)〜〜つばめ岩〜(徒歩1時間)〜ツバクラ岩〜(徒歩1時間30分)〜(徒歩10分)〜天女山

観音平を命名した宮田武義
観音平という名がついたのは実は戦後のことで、地元の書家・宮田武義(遊記山人)の命名。
大正11年、東京・日比谷に創業した本格広東料理「山水樓」の経営者で、徳富蘇峰もその客人だったのだとか(スパティオ小淵沢内の広東料理「山水楼 龍淵」は、その味を継承)。
庄原市の名誉市民でもあった宮田武義は、中国上海東亜同文書院に学んで書を究め、帰国後、「山水樓」を開いて、川端康成氏、棟方志功など多くの文化人と交流しました。
観音平にある湧水「延命水」の名も宮田武義の命名で、この水を墨汁にも使っていたのだとか。
観音平
名称 観音平/かんのんだいら
所在地 山梨県北杜市小淵沢町
電車・バスで JR小淵沢駅からタクシーで20分
ドライブで 中央自動車道小淵沢ICから約8.2km
駐車場 50台/無料
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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