山梨県(南アルプス市)と長野県(伊那市)の県境、南アルプス(赤石山脈)北部の名峰が、仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ)。仙丈ヶ岳(3032.9m)を主峰に、北に小仙丈ヶ岳(2864m)、南に大仙丈ヶ岳(2975m)を従え、発達するカール(圏谷)の底にはお花畑が広がる花の名山としても有名。
北沢峠からの登山道が最短ルート
登山ルートとしては、北の甲斐駒ヶ岳への縦走路途中にある北沢峠を起点とするのが一般的。
長野県伊那市側からは、仙流荘前から南アルプス林道バスが、山梨県側からは南アルプス市営バスが広河原と北沢峠を結んでいます(台風被害で通行止めのこともあるので事前の確認が必要)。
鳳凰三山(または甲斐駒ヶ岳)〜仙丈ヶ岳〜三峰岳〜間ノ岳〜北岳という縦走も可能です。
南アルプス(赤石山脈)主脈の塩見岳へと続く長大な尾根が「馬鹿尾根」とも呼ばれる仙塩尾根で、三峰岳から南へ、熊ノ平小屋から塩見岳に至るルートが主脈縦走路。
氷河地形としては、東側に小仙丈沢カール、北側に藪沢カール、南東側に大仙丈沢カールの3つのカール(圏谷)が発達。
南アルプスでも北部に位置することもあって、仙丈ヶ岳山頂直下の薮沢カールから馬ノ背ヒュッテにか けて、明瞭な氷河地形が分布し、モレーン(氷河によって削り取られた岩石の集合体=氷堆石)、お花畑が広がっています(馬ノ背ヒュッテから下部はU字谷)。
山頂直下の藪沢カール(比高60m〜150mのカール壁とカール底の形態が美しく整った、スプーンカットの圏谷)底には仙丈小屋が建っています(伊那市の第三セクター・伊那市観光の経営/例年6月中旬〜10月中旬営業)。
仙丈小屋付近には三日月状のエンドモレーン(ターミナルモレーン、端堆石)、羊背岩(ようはいがん=氷河の侵食によって波状を呈した岩)を見ることができます。
『甲斐国志』には千丈ヶ岳と記され、現在の標高は1000.79丈にあたるため、奇しくも当時の目測が正しかったということに。
深田久弥の『日本百名山』にも選定されています。
仙丈ヶ岳 | |
名称 | 仙丈ヶ岳/せんじょうがたけ |
所在地 | 山梨県南アルプス市芦安芦倉・長野県伊那市長谷杉島 |
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