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10月31日は、神奈川県庁本庁舎「キングの塔」竣工の日

神奈川県庁本庁舎「キングの塔」

「キングの塔」の愛称で親しまれている神奈川県庁本庁舎(神奈川県横浜市中区)が竣工したのは、昭和3年10月31日。国の重要文化財に指定されるライト様式(フランク・ロイド・ライトの手による建築様式)で、クイーン(横浜税関)、ジャック(横浜市開港記念会館)とともに「横浜三塔」のひとつ。

外観はアール・デコ様式が基調、和風の塔をのせた帝冠様式

キングと、ジャック(横浜市開港記念会館)

大正12年9月1日の関東大震災で、神奈川県庁舎、横浜税関など、横浜港の官庁も大きな被害を受け、神奈川県庁舎はかろうじて倒壊を免れましたが、火災で焼失しています。
その瓦礫で海岸を埋め立て誕生したのが山下公園ですが、復興のシンボルとして建てられたのが、キング(神奈川県庁舎)とクイーン(横浜税関)です。

神奈川県は「地震に負けない、新しい県のシンボルを」と、設計コンペ方式で、デザインを一般公募。
1等賞金は当時の官選知事の年収にも匹敵する5000円(大卒の初任給が50円の時代)で、当選した東京市技手小尾嘉郎(おびかろう)の案をもとに、神奈川県の建築技師(内務部神奈川県庁舎建築事務所)らが実際の設計を担っています。

耐震・耐火に優れた鉄筋・鉄骨コンクリート造りを採用し(地上5階、地下1階)、その中央部に建物全体で9階建てに相当する48.6mの「キングの塔」が立ち上がっています。

全国の庁舎建築の先駆けとなる「帝冠様式」(昭和初期のナショナリズムの台頭を背景に、伝統的な和風の塔や屋根を持つ建築様式)を用いた塔、外壁を覆う巨大なスクラッチタイルなど、建築様式は「日本趣味ヲ基調トシタル近世式」で、まさに神奈川県、そして港横浜のシンボルにふさわしい建物が誕生したのです。

場所は外洋航路の大型貨客船が出入港する大さん橋近くということもあり、「日本に帰ってきた」という日本人、「日本に上陸するぞ」という外国人にとっても印象的な塔となったのです。
塔を築いたのも、当然、船舶による港外、港内からの遠望を考慮してのこと。

令和元年12月27日付けで国の重要文化財に指定され、知事室、旧貴賓室(第3応接室)、旧議場(大会議場)のほか、6階の歴史展示室が設けられ、屋上からは横浜港を一望にできます。
日時限定で年に数回、神奈川県庁本庁舎の知事室、当時の貴賓室や議場が公開されています。

10月31日は、神奈川県庁本庁舎「キングの塔」竣工の日
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

神奈川県庁本庁舎

神奈川県庁本庁舎は、昭和3年に建築された4代目の県庁庁舎で、国の重要文化財。実際に知事が執務する現役の庁舎としては、大阪府庁本館に次いで2番目に古い建物。現代建築に和風の瓦屋根を載せた昭和初期に流行した「帝冠様式」建築の先駆けとといわれ、日

 

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