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善光寺御開帳記念 そもそも御開帳っていったい何なの?

平成27年4月5日〜5月31日、七年に一度の盛儀『善光寺御開帳』が行なわれました。
北陸新幹線の開業もあって地元長野県やJRは、『善光寺御開帳』を積極的にPR。
次回の御開帳は、2021年(平成33年)の予定ですが、そもそも『善光寺御開帳』って何? という素朴な疑問を取材してみました。

Q 御開帳とは何なのでしょう?

A 本尊の如来さまとご縁を結ぶ貴重なチャンスです!
数え年で七年に一度、御開帳されるのは実は鎌倉時代造の前立(前立て)本尊。
善光寺のご本尊は古くから秘仏とされ開扉できないので、大勧進の御宝庫に安置してある前立本尊を本堂に遷し、参詣者に拝観の機会を与えてくれます。

【御開帳】
仏教寺院で本尊をはじめとする仏像を安置する仏堂や厨子の扉を開いて拝観できるようにすること。
【秘仏】
信仰上の理由により非公開とされ、厨子などの扉が閉じられたまま祀られる仏像。
【前立本尊】
「御本尊」の御身代わりとしてつくられたという本尊。善光寺ではこちらも秘仏に。

Q どうして御開帳は7年に一度なのでしょう?

A 諸説あって定かでありません
何年に一度と期を定めて親しく拝する法会が御開帳であることはおわかりいただけたかと。
では、善光寺の御開帳はなぜ、7年に一度なのでしょう。
善光寺事務局に聞いてみると、
「諸説あって、定かでありません。過去の記録を見る限りでは意外に不定期に御開帳されているのです」
とのこと。
7年に一度というのは近年になってからのことらしいのです。
「7年に一度くらい本尊の如来さまとご縁を結ぶ、つまりは仏教に親しむ機会があってもいい」
そんな願いが込められているようなのです。

本堂の下に「お戒壇(かいだん)めぐり」を造ったりするのも、いずれの宗派にも属さず、檀家も持たないという善光寺のPR大作戦の一環とも考えられるのです。
ちなみに秘仏中の秘仏の、善光寺御本尊(一光三尊阿弥陀如来)、善光寺の住職(大勧進貫主と大本願上人)が見たことがあるのかといえば、
「記録に残る限り、尊容を拝まれたという人はありません」(善光寺事務局)。
その尊容は見た者がいない「絶対秘仏」というわけなのです。

【檀家】
特定の寺に所属して寺を支援する家のこと。墓をもち、葬儀を行なうこともあって寺の経営が安定する。

善光寺仁王門は大正7年の再建

Q 善光寺に参詣すると、どんなご利益が?

A 「現当二世」のご利益があります!
ちょっと難しい話になりますが、善光寺の特徴は、そのご利益が「現当二世」の点です。
つまり、
「一度お参りすれば、現世利益(げんぜりやく)と来世の極楽往生(ごくらくおうじょう)の両方を叶えてくれる」
(善光寺事務局)
というスーパーパワーのご利益(りやく)なのです。

江戸時代には、
「このごろは、御開帳で皆が善光寺を信仰するため、地獄がヒマで困る」
なんて笑い話も生まれました。
善光寺に参詣すると、死後は極楽浄土へと送られるという信仰は、江戸時代には「庶民の常識」になっていたのです。

【現当二世】
英訳するとpresent second generation。この世もあの世もの意。
善光寺如来は、現当二世(この世もあの世も)をお守り下さるありがたい仏様。
原点は、釈尊が説かれた『法華経』の「現世安穏・後生善処」(過去にとらわれず、未来の勝利を展望し、今を全力で生きよ)に由来する仏教用語。
【現世利益】
仏を拝むことによってもたらされる、この世で受ける仏や菩薩などの恵み。この世での願望の実現。
【極楽往生】
死んだ後に極楽浄土に生まれ変わること(阿弥陀仏の浄土とされている極楽への往生)。

六善光寺同時御開帳公式ホームページ

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