「みなし上下分離方式」で阿武隈急行、存続へ!

阿武隈急行

福島駅〜槻木駅(54.9km)を走る第三セクターの鉄道が、阿武隈急行。東日本大震災、台風被害などの困難を乗り越えてきましたが、累積赤字が増大。「上下分離方式」で存続することが決まりました。鉄道会社が施設を保有したまま、沿線自治体が維持管理費を負担する「みなし上下分離方式」を2026年4月にも導入する予定です。

「みなし上下分離方式」で10年間は存続へ

阿武隈急行

国鉄・丸森線(丸森〜槻木/宮城県)とその未開通区間で日本鉄道建設公団が建設していた部分を継承して誕生した第三セクターが阿武隈急行。
福島市の福島駅と宮城県柴田町の槻木駅を結んでいますが、沿線自治体の人口減少などもあって乗客も徐々に減ってきています。
2011年の東日本大震災は2ヶ月ほどで全線復旧にこぎつけましたが、2019年の台風19号による被害は甚大で、こちらも1年半ほどで復旧を果たしています。

阿武隈急行は、出資するのが福島県28.0%、宮城県25.6%、福島交通20.0%、福島市6.1%、伊達市5.2%というまさに公共交通機関。
設備の老朽化、利用者の減少などの問題を抱え、2024年度の営業損失は8億円にもなっていて、存続が危ぶまれていました。
線路や施設の維持管理費を自治体が負担、運行を阿武隈急行が担うという「みなし上下分離方式」を採用する予定です。
2026年度からの10年間での総事業費は、170億円にのぼる見通しですが、この方式の導入により、国の交付金事業が活用できるメリットがあり、61億円ほどを国の交付金でまかなえることに。
残りの110億円を福島県と宮城県が折半することになるので、各県は毎年5億円以上の出費が必要となります。

この5億円は2023年度からの補塡費用と変わらないことから、国の交付金も加えて老朽化した施設などを改善することになります。

「みなし上下分離方式」で阿武隈急行、存続へ!
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