南海トラフ沿いで発生する巨大地震「東南海地震」の切迫が伝えられていますが、実は、阪神・淡路大震災のような内陸部の活断層が動くことによる直下型の地震の危険性も。2024年1月に発生した能登半島地震も沖合の活断層が震源となっています。日本全国には危険度最大「Sランク」の活断層が32ヶ所もあるのです。
国内には活断層が2000も、実は活断層だらけ!

政府の地震調査研究推進本部(=地震本部)によれば、日本全国に内陸の直下型地震を引き起こす活断層は、判明しているものだけでも2000あるとのこと。
全国2000の活断層のうち長さが20kmを超え、地震が起こると日常生活や産業、交通インフラなどに多大な影響が出ることが想定される活断層について、地震調査研究推進本部では今後30年以内に地震が発生する確率などを評価して発表しています。
史書や口伝など調査研究から判明した過去の地震活動記録を統計的に処理し、「今後ある一定期間内に地震が発生する可能性」を確率で表したもの。
確率が不明なZランクから、もっとも高確率なSランクまで4つのランクに分けられていますが、危険度最高レベルのSランクの活断層が、なんと32ヶ所もあるのです(ランクの算定基準は2025年1月1日)。
- Xランク=地震発生確率が不明(過去にデータがないため、確率の評価が困難=すぐに地震が起きることが否定できない)
- Zランク=今後30年以内の地震発生確率が0.1%未満(Zランクでも、活断層が存在すること自体、当該地域で大きな地震が発生する可能性を示す)
- Aランク=今後30年以内の地震発生確率が0.1%〜3%(やや高い確率)
- Sランク=今後30年以内の地震発生確率が3%以上(高い確率)
身近な活断層の確認を!
関東では三浦半島断層群、塩沢断層帯が該当。
三浦半島断層群は、神奈川県三浦郡葉山町から横須賀市を経て浦賀水道に至る三浦半島断層群主部と、三浦市に位置する三浦半島断層群南部があり、三浦半島断層群主部は北側の衣笠・北武(きぬがさ・きたたけ)断層帯と南側の武山(たけやま)断層帯に細分されています。
しかも陸上だけでなく、さらに両側の海域に延びている可能性が指摘されています。
塩沢断層帯は、箱根山北西縁付近から丹沢山地の南西縁まで延びる断層帯。
神奈川県足柄上郡山北町(あしがらかみぐんやまきたまち)から静岡県駿東郡小山町(すんとうぐんおやまちょう)、御殿場(ごてんば)市付近に至る断層帯で10kmほどと推測されていますが15km以上の可能性も。
近畿では奈良盆地東縁断層帯、上町断層帯があり、とくに大阪平野に位置する上町断層帯ではM7.5程度の直下型地震が起こる可能性が危惧されています。
上町断層帯は、大阪府豊中市から大阪市を経て岸和田市に至る南北42kmにも及ぶ断層帯で、断層帯の東側が西側に乗り上げる逆断層となっています。
ファミリーなどで旅に出るときにも、念頭に入れておくことは重要かもしれません。
内陸直下の活断層による地震は、震源が浅い場所にあることから、熊本地震や兵庫県南部地震のように建物だけではなく橋などの建築物への被害が発生します。
身の回りにも活断層が!? 危険度最大「Sランク」活断層は全国に32も! | |
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