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乙女の像(十和田湖)

周囲44kmの美しい二重カルデラ湖の十和田湖。そのシンボル的な存在が湖畔の休屋にある乙女の像。高村光太郎作のブロンズ製の裸婦像で、昭和28年に国立公園指定15周年を記念して御前ヶ浜に立てられたもの。

十和田湖のシンボルで記念撮影のポイント

谷口吉郎(建築家)、土方定一(美術評論家)、菊地一雄(彫刻家)、草野心平(詩人)、藤島宇内(詩人)という豪華メンバーの建設委員会が立ち上がり、昭和27年4月に高村光太郎に正式に依頼。

高村光太郎は、「自然美には、人工を受け入れるものと受け入れないものの2つがある。現地を見て決めましょう」と即答を控えたのだとか。
同年6月、佐藤春夫、谷口吉郎とともに十和田湖を訪れた高村光太郎は、「十和田湖の美しさに深く感動した。湖上を遊覧しているうちにいくつも制作イメージが湧いた」と快諾します。

こうして完成した乙女の像には高村光太郎曰く「原始林の圧力に堪えて 立つなら幾千年も立ってろ」(『十和田湖畔の裸像に与う』)の思いが込められているのです。
台石は智恵子夫人の故郷・福島県産の黒御影石。

「湖水に写った自分の像を見ているうちに、同じものが向かい合い、見合うなかで深まっていくものがあることを感じた。それで同じものをわざと向かい合わせた」ということで、シンメトリーとなる2人の乙女という構図になっています。

昭和28年10月21日に除幕。
この直後に、高村光太郎は病に倒れ、生前最後の作品になっているのです。

『十和田湖畔の裸像に与う』 高村光太郎

銅とスズとの合金が立ってゐる。
どんな造型が行はれようと
無機質の図形にはちがひない。
はらわたや粘液や脂や汗や生きものの
きたならしさはここにない。
すさまじい十和田湖の円錐空間にはまりこんで
天然四元の平手打をまともにうける
銅とスズとの合金で出来た
女の裸像が二人
影と形のように立ってゐる
いさぎよい非情の金属が青くさびて
地上に割れてくづれるまで
この原始林の圧力に堪えて
立つなら幾千年でも黙って立ってろ。

泊まって納得!十和田湖周辺取材班おすすめの宿は!?

十和田湖の良さは、カルデラ湖で、国立公園らしい優雅な雰囲気が残されていること。
つまりは芝生の園地が広がったり、のんびるするのに最適な地ということ。
下世話な観光地によくある猥雑(わいざつ)な看板も、客引き見当たりません。
そんな十和田湖でのんびりできるのは、やはりハードばかりでなく、宿のソフト面の充実にも目をむけたいところ。
取材班のイチオシは、「十和田プリンスホテル」と「十和田ホテル」。
ともに連泊、滞在にも最適です。

十和田プリンスホテル

全国でリゾートホテルを展開するプリンスホテル。
十和田湖の休屋から少し離れた湖畔の一等地に十和田プリンスホテルは建っています。
キャッチフレーズは「湖畔のオーベルジュ」。
季節とプランを上手に選べば2食付きで1万2000円以下も!
温泉露天風呂もあるので連泊や滞在もおすすめです。

十和田ホテル

昭和15年の東京オリンピック(幻のオリンピックです)を前に、日本を訪れる外国人観光客のための宿として、政府の要請で建てられたのが十和田ホテル。
秋田・青森・岩手の三県から宮大工80名を集めて技術を競わせ、秋田杉の巨木をふんだんに使った3階建ての建物には圧倒されます。
別館の洋室利用なら、和室よりもエコノミーに泊まることが可能。
夕食は和洋折衷料理。
温泉ではありませんが、展望露天風呂も自慢のひとつ。
ちなみに、国の登録有形文化財、近代化産業遺産に認定!

乙女の像(十和田湖)
名称乙女の像(十和田湖)/おとめのぞう(とわだこ)
所在地青森県十和田市奥瀬十和田
関連HP十和田湖国立公園協会公式ホームページ
電車・バスでJR青森駅からJRバス十和田湖行き「みずうみ号」で2時間55分、終点下車、徒歩15分。またはJR八戸駅からJRバス十和田湖行きで2時間15分、終点下車、徒歩15分
ドライブで東北自動車道小坂ICから約31km
駐車場休屋南・北駐車場(450台/有料)
問い合わせ十和田市観光推進課観光施設係 TEL:0176-51-6771/FAX:0176-22-9799
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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