新型特急「やくも」が2025年「ブルーリボン賞」を受賞!

「やくも」は、JR西日本が運行する岡山駅と出雲市駅を結ぶ特急。昭和から、平成、令和を走り続けた381系特急「やくも」に代わり、2024年4月6日から新型の273系が投入され、2024年のグッドデザイン賞にも輝いていました。その新型特急「やくも」が「鉄道友の会」の2025年「ブルーリボン賞」に選定。

「やくもブロンズ」と呼ばれる外装も評価される

新旧が並んだ特急「やくも」

「ブルーリボン賞」は、毎年、鉄道友の会の会員の投票結果をもとに、選考委員会が利便性や快適性・環境対応・新技術の有効活用などを評価し、「最優秀」と認めた車両に与えられる賞。

今回の新型特急「やくも」に関しては「安全性と信頼性が確保された先進の機器構成を基本に、地域の特性を踏まえた独自デザインが高く評価されており、会員からも候補車両の他形式を大きく上回る支持を得たことから最優秀賞であるブルーリボン賞に選定」としています。

たたら製鉄の炎や宍道湖の夕日などを連想させる「やくもブロンズ」と呼ばれる外装、カーブでの揺れを抑える新システムなどが高く評価されたもの。

2025 年ブルーリボン賞 選定車両の解説・選定理由(「鉄道友の会」報道発表)

「山陰の我が家のようにくつろげる、温もりのある車内」

特急「やくも」として経年40年を超えた振子式特急形電車381系の後継として開発された新形式車
です。デザイナーとJR西日本社員を交えたワークショップでデザインを構築し、既存特急形車両とは
異なる独自性が特徴です。

外装は「沿線の自然・景観・文化・歴史を尊び、お客様と交感する色」でオリジナル色の「やくもブ
ロンズ」に「モダンに八雲立つ、伝統を継承」するシンボルマークを配置しました。内装は「山陰の我が家のようにくつろげる、温もりのある車内」のため、グリーン車は積石亀甲模様で暖色系の、普通車は麻の葉模様で寒色系の座席とし、木目調の壁に間接照明です。さらに普通車の座席間隔は新幹線と同じ1040mmとし、新たに2・4 人用セミコンパートメントやフリースペースを設け、車椅子スペースは最新の移動円滑化基準に対応しました。

編成構成は片台車駆動の電動車4両です。車体はアルミダブルスキンで、各部の衝突対策は既存車を踏襲し、車体断面は車体傾斜と重心低下への対応で屋根は低く、側面の上下を絞り込んだ形状で、貫
通形高運転台の先頭部は、271系を基本に断面に合わせて少し形状が変わり、灯具の配置や塗色で新しい印象です。

鉄道総研、川崎車両と新たに開発した振子制御装置は、線路形状を登録したマップデータと、走行速度やジャイロセンサの測定値から高精度の位置認識を行い、応答性を向上させた車体傾斜用アクチュエータとともに、線路形状に合わせた最適な傾斜制御で乗心地を向上しています。

駆動系は、フルSiCのインバータで220kWの全閉型誘導電動機2台を制御しています。補助電源装置もフルSiCの出力75kVAで、各車の出力を並列接続して、故障時も運行継続可能な構成です。ブレーキ系は回生併用の電気指令式で、台車単位の制御です。制御指令やモニタなどを行う車両情報制御システムは伝送速度100Mbpsのイーサネット方式です。この他、脱線などを検知する車両異常挙動検知システムなどにより安全性と信頼性を確保しています。

新型特急「やくも」が2025年「ブルーリボン賞」を受賞!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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