小豆島では福山大学生物科学科の研究グループでは、小豆島と、対岸の岡山県全域、香川県高松市のイノシシのDNAを解析。小豆島のイノシシのルーツを探るという最先端の遺伝解析を行なった結果、遺伝的に異なる2系統のイノシシが四国本島側から海を渡って侵入したことが判明しています。
四国から2つの集団が海を渡って猪突猛進
小豆島から四国へは最短で5.6km(小豆島・釈迦ヶ鼻〜四国・大串岬)で、本州側は最短でも8.2km以上あります。
島伝いに渡るのであれば本州側からのほうが楽にも見えますが、背景には香川県のイノシシ増大問題があります。
遺伝子解析によると、途中の島を経由したとしても5km以上の遠泳を2つのイノシシ集団が、まさに猪突猛進したことが判明。
原因は、香川県側のイノシシの過密状態で、それが解消されなければ、今後も新天地を目指すイノシシが現れるということに。
広島県福山市の福山大学では大学を挙げて「瀬戸内の里海・里山学」に取り組んでいますが、こうした研究は、「人間と野生動物が適切な距離を保って共存するための基礎資料」として行なわれています。
面積が狭く、居住地や観光地が多い小豆島では、せいぜい箱罠で捕獲するしかありませんが(小豆島町では狩猟免許所有者の箱罠設置に助成金を出しています)、イノシシは1歳〜2歳で初産となり、平均4〜5頭の子どもを産むという繁殖力。
妊娠期間も120日と短いので、ものすごい勢いで増えていきます。
福山大学の研究は、イノシシが害獣と呼ばれるのを避けるためにはどうしたらいいのかの取り組みとしても注目されています。
| 小豆島のイノシシは、四国から海を渡って侵入したことが判明! | |
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