千葉県銚子市、銚子半島南端の傾斜地に、碁盤目状の町割がされた外川の町並み(とかわのまちなみ)。イワシ漁の最盛期には「外川千軒大繁盛」とうたわれた町で、石畳の坂道が続く港町は、NHKの朝の連続ドラマ『澪つくし』(昭和60年放送)の舞台にもなっています。
NHK『澪つくし』の舞台となった漁町
江戸初期に紀州(和歌山県)の漁民、崎山次郎右衛門(さきやまじろうえもん)が海難に遭い、飯沼村に移り住み、湊(現在の外川漁港)を造って新しいイワシ漁がもたらされて以来、江戸時代には「干鰯景気」(ほしかけいき)といわれるほどイワシ漁で繁栄(明治中期頃から漁業の中心は利根川河口に移りました)。
干鰯は、イワシを干して固めたもの。タバコ、アブラナなどの肥料には最適だったので「金肥」と呼ばれ、各地へ運ばれました。
相模の浦賀とともに房総の外川は江戸時代に干鰯で繁栄を見せ、浜では昼夜を問わずに干鰯作りが行なわれていました(『利根川図志』)。
銚子電鉄の終点駅が外川であるのも、京浜急行の本線の終点駅が浦賀であるのも同じ理由。
江戸時代にはともに干鰯問屋が建ち並び、繁栄した湊だったのです。
現在はイワシ不漁のため、沖合漁業に変貌していますが、沖釣り客も数多く訪れる漁師町となっています。
銚子電鉄外川駅の駅舎は大正12年の開業時のままで、NHK連続テレビ小説『澪つくし』(昭和60年放送、原作・脚本 ジェームス三木、沢口靖子主演)で古川かをる(沢口靖子)が利用していた駅としてロケにも使われています。
古川かをると相思相愛になる吉武惣吉が出会った場所も外川港。
さらにふたりの婚礼行列が通った坂道(石畳の道)も外川2丁目に現存しています。
ヒゲタ史料館・わくわく工場見学、ヤマサ醤油しょうゆ味わい体験館、円福寺(飯沼観音)、妙福寺、西廣家住宅、川口神社、竜の井(玄蕃井戸)、犬岩、屏風ヶ浦などとともに日本遺産「北総四都市江戸紀行 江戸を感じる北総の町並み」の重要な構成資産になっています(北総四都市=佐倉、成田、佐原、銚子)。
外川の町並み | |
名称 | 外川の町並み/とかわのまちなみ |
所在地 | 千葉県銚子市外川町 |
電車・バスで | 銚子電鉄外川駅から徒歩5分 |
ドライブで | 銚子連絡道路横芝光ICから約38.3km。または、東関東自動車道佐原香取ICから約48km |
駐車場 | 漁協駐車場(30台/無料) |
問い合わせ | 銚子市観光商工課 TEL:0479-24-8181 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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