「春節」に中華圏5ヶ国の旅行者はここを旅する予定、意外な旅先とその理由は

ブッキング・ドットコムは、旧暦の正月にあたる春節に伴う連休期間(2025年1月28日〜2月4日)を対象に、中国を含む中華圏5ヶ国(中国、台湾、香港、シンガポール、韓国)の旅行者が検索した日本の旅行先から、大都市を除いた上位10位の旅行先を発表。中国人で混雑しそうな旅先TOP10がわかるということに。

TOPの那覇は、「ウェルネスツーリズムを楽しめる場所」

白馬岩岳マウンテンリゾート

トップは意外にも沖縄県の那覇市。
実は「那覇はウェルネスツーリズムを楽しめる場所として、年間を通してインバウンド人気の高い旅行先です」(ブッキング・ドットコム)とのことで、気候的にも温暖、そして琉球寒緋桜が咲き始め、ひと足早く春を感じられるもの魅力的です。
ウェルネスツーリズムとは、ヘルシー食、リラックスできるリゾートホテル、自然体験、アドベンチャーツーリズム、森林浴、スパ、ヨガ、瞑想、伝統体験など「ウェルネス=豊かな人生へのアクション」を提供する旅行の総称。

沖縄県は「ブルーゾーン」と呼ばれる世界5大長寿地域(日本・沖縄県、イタリア・サルデーニャ島、アメリカ・カリフォルニア州のロマリンダ、コスタリカ・ニコジャ半島、ギリシャ・イカリア島)のひとつ。
沖縄の風土に根付くおおらかで、のんびりな「ウチナータイム」(沖縄時間)も、スローライフにつながり、明日への活力を満たしてくれることで、外国人旅行者には人気なんだとか。

2位は目下、人気急上昇の長野県白馬村。
スノーリゾートとして注目度がアップし、北海道・ニセコ(5位)を抑えて2位にランクインしています。
「海外からの観光客を多く受け入れ、観光客に対するホスピタリティが高く、多言語対応の案内や施設も充実しています」(ブッキング・ドットコム)。
世界中からスキー客が集まる白馬村は、2023〜24年冬の観光客数は133万人と過去20年で最多。
村内スキー場利用者数は100万人を超え、国内のスキー・スノーボード人口がピーク時の4分の1に減る中、インバウンドが牽引しています。
そんな好況を背景に白馬岩岳マウンテンリゾートでは2024年12月20日(金)に新ゴンドラが誕生(38年ぶりにリニューアル)するなど、設備投資も進んでいます。

3位は韓国からの旅行者に人気の箱根。
理由は温泉と箱庭的な景観(芦ノ湖などの美しいカルデラ地形)、大涌谷や芦ノ湖からの富士山の眺望ですが、近年は箱根神社、駒ヶ岳山頂の元宮などパワースポットの人気も高まりつつあります。

箱根、芦ノ湖から眺める富士山

9位にはかなり意外な熊本がランクイン

冬も人気の河口湖と富士山

4位は富士・河口湖で、3位と4位は明治時代に外国人観光客が東京に近いリゾートとして注目した場所です。
河口湖は当然、富士山がお目当てです。
富士スバルラインは降雪、積雪時を除いて冬も営業し、2025年の正月三が日も5合目まで到達できました。
明治時代に外国人宣教師が避暑地として見出した軽井沢も、アウトレット、そして近年は軽井沢プリンスホテルスキー場の人気もあって10位にランクインしています。

5位は前述のニセコで、6位は温泉とスノーリゾートの越後湯沢です。
越後湯沢にインバウンドのイメージはこれまであまりありませんでしたが、未使用リゾートマンションを民泊に活用するなど、近年ではニセコ、白馬の「ジェネリック版」ともいわれるようになっています。
駅周辺の和食料理店に外国人が集まるなど、東京に近いという利点もあって、今後は越後湯沢の人気が高まることも予想できます。
基幹となる苗場プリンスホテルもこれまではインバウンドの利用者はあまりいませんでしたが、近年、増加し、インターナショナルコンセルジュサービスも充実しています。

7位と8位には大分県の別府温泉と由布院温泉がランクイン。
自然に囲まれた温泉地ということで人気が高まっていますが、やはりインバウンド人気の地は、それなりの理由があるようです。

9位はかなり意外な熊本。
熊本県を訪れた外国人観光客がどこに向かうのかといえば、一番人気は、熊本城。
2位は「桜の馬場城彩苑」で、江戸時代にタイムスリップしたかのような昔の城下町風情が人気を醸しています。
3位は回遊式の大名庭園である水前寺成趣園(水前寺公園)で、日本の江戸文化のようなものを求めていることがわかります。

10位は前述の軽井沢でやはり首都圏からの交通の便、そして軽井沢プリンスホテルを中心としたその居心地の良さ(海外配送や対面型翻訳機の導入など、インバウンド向けのサービスの拡充)が評価されているようです。
軽井沢町、軽井沢観光協会では、持続可能なリゾート地を目指すため、インバウンドビジョンを策定、訪日外国人を受け入れながらも「軽井沢のステイタスの持続」を図ろうとしています。
台湾、香港、中国からの旅行者が多く、軽井沢町では「中国大陸の富裕層から軽井沢が注目され始めている」と分析しています。
気づかなかった新たな魅力の発見、通年営業につながると、インバウンド事業を前向きに捉える人が多いのも特徴です。

「桜の馬場城彩苑」
熊本城とセットで訪れる「桜の馬場城彩苑」
「春節」に中華圏5ヶ国の旅行者はここを旅する予定、意外な旅先とその理由は
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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