プロペラ機の飛行距離TOP5 ANAが上位を独占!

過去には飛行距離1156kmを誇ったANA新潟〜福岡便もありましたが、IBEXエアラインズとの共同運行で小型ジェット機のCRJ700に変わっているため、2024年11月現在では、ANAの大阪(伊丹空港)〜青森空港で、936km(523マイル)。飛行距離TOP5はすべてANAのデ・ハビランド・カナダDash 8-400です。

伊丹〜青森、伊丹〜秋田、中部国際〜鹿児島がTOP3

伊丹空港着陸時のデ・ハビランド・カナダDash 8-400

TOPのANAの大阪(伊丹空港)〜青森空港に使用される使用機材はデ・ハビランド・カナダ Dash 8-400。

デ・ハビランド・カナダ Dash8-400は、巡航速度650km/h、最大運用高度7500m、航続距離2020km、座席数74席の双発ターボプロップ旅客機。
2023年11月1日に、DHC-8-400型機は就航20周年を迎えた、安全性能の高い名機です。

小型機なので狭いような気もしますが、実は、「シートピッチ(前の座席との間隔)は、座席によっても異なりますが、ANAウイングスが運航しているB737-800と比べて、約2cmもQ400の方が広いです」とANAも解説しています。
しかも「小型機ならではの少しプライベートジェットのような雰囲気も」とPR。

飛行距離の2位は大阪(伊丹空港)〜秋田空港のANA便で793km(439マイル)。
使用機材はこちらもデ・ハビランド・カナダ Dash 8-400。

3位は名古屋(中部国際空港セントレア)〜鹿児島空港の660km(411マイル)。
ソラシドエアとの共同運行便(コードシェア便で、BOEING737-800使用)以外のANA単独便はデ・ハビランド・カナダ Dash 8-400です。

以下、4位がANAの福岡空港〜小松空港(一部はオリエンタルエアブリッジとコードシェア)、5位にANA・オリエンタルエアブリッジとのコードシェア便の中部国際空港〜秋田空港と続きます。

名古屋(中部国際空港セントレア)〜鹿児島空港の飛行時間は、ジェット機(BOEING737-800)を使ったJALが1時間30分、対するプロペラ機のデ・ハビランド・カナダ Dash 8-400は、1時間40分と、わずかに10分だけの差。
実は飛行時間にはさほどの差が生まれません。

順位路線(区間)就航会社飛行距離マイル
1位大阪(伊丹空港)〜青森空港ANA936km523マイル
2位大阪(伊丹空港)〜秋田空港ANA793km439マイル
3位名古屋(中部国際空港)〜鹿児島空港ANA・ソラシドエア(コードシェア便)
660km411マイル
4位福岡空港〜小松空港ANA(一部はオリエンタルエアブリッジとコードシェア)620km390マイル
5位名古屋(中部国際空港)〜秋田空港ANA・オリエンタルエアブリッジ(コードシェア便)600km380マイル

プロペラ機ならではの景色の良さなどメリットも

プロペラ機は高度が低い分、地上を眺める景観に優れ、ANAも「見下ろす景色は上空1万6000フィートならではの解像度」とPRしています。

一般のジェット機の巡航高度およそ1万以上に対し、Dash 8-400の高度は1万6000フィート(5000mほど)なので、山並みを眼下にくっきりと眺めたりもできるのです。
鹿児島便なら離着陸時に霧島連山を間近に眺めることもできます。

しかも翼が胴体上部に取り付けられているため、視界が遮られることなく機窓からの風景を楽しむことができるのも大きなメリット(どの席からも翼に邪魔されずに景観を楽しむことができます)。

Dash 8-400の略称はQ4ですが、QはQuiet(静か)の略で、機体から音波を出し、機内に入ってくるプロペラによる騒音や振動を小さくしているというハイテク設計になっているのです。
また、1フライトごとの消費燃料が少なく、同じ距離で小さいジェット機を飛ばすよりも、より軽いDHC-8-400を飛ばした方が消費燃料が少なくエコとのこと。

比較的に利用者の少ない路線では、DHC-8-400を使用することで、路線の維持と消費燃料やCO2排出量の削減に貢献という側面も。
着陸後は1つのエンジンのみでも十分に地上走行が可能なため、状況がいい場合には「One Engine Taxi In」と呼ぶ片側のエンジンだけで地上走行を行なうこともあるのだとか。

なお、これまではタラップでの搭乗となっていますが、松山空港と新千歳空港、続いて青森空港などボーディングブリッジが使用できるようになりつつあり、「これがたまらない」というファンも多いタラップでの搭乗も減りつつあるようです(ただし、駐機場の使用状況により、今後もバスとタラップの場合もあります)。

ANAは、2024年7月22日、DHC-8-400の7機(メーカー認定中古機)追加導入の決定を発表、2025年以降順次導入することにしているので、当分はエコなプロペラ機の旅を楽しむことができそうです。

プロペラ機の飛行距離TOP5 ANAが上位を独占!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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