JR東海は2025年1月に東海道新幹線のドクターイエロー(新幹線電気軌道総合試験車)の引退を発表していますが、JR東海には実は在来線用の「ドクター東海」(キヤ95系気動車)があり、ディーゼルカーながら、東海道本線などの電化区間の検測も行なっています。こちらは目下、引退予定はありません。
「しあわせの黄色いディゼルカー」が東海地区で大活躍!
ドクターイエロー(新幹線電気軌道総合試験車)が引退する理由は、JR東海が保有する営業車両、N700Sが通常の営業中に検測できる機能を備えており、老朽化もあってお役目御免ということに。
幸せを呼ぶと称されるようになったのは、山田洋次監督の映画『幸福の黄色いハンカチ』が劇場公開された1977年10月から。
当初は「黄色いフォルクスワーゲン・ビートルを見たらラッキー」と黄色いビートルで始まったのが、鉄道ファンに飛び火し、「しあわせの黄色い新幹線」という言葉が誕生したもの。
架線やレール、保安信号などに異常がないか、あるいは交換・修理が必要な段階に至っていないかを検査する大切な役割を担っていますが、運行ダイヤも非公表のため、「出会ったら幸運」ということに。
在来線の「ドクター東海」は、JR東海キヤ95系気動車が正式名で、名古屋車両区に3両で2編成が配属されています。
もともと1996年、国内初の在来線用の軌道・電気総合試験車として誕生したもので、ベースは快速「みえ」に使用しているキハ75系気動車。
JR東海管内の在来線は電化・非電化を問わずに検測が行なわれていますが、注目は、検測車両がない3セクで、JR東海と線路がつながっている路線、伊勢鉄道伊勢線、樽見鉄道樽見線、愛知環状鉄道、天竜浜名湖鉄道、あおなみ線での検測も行なわれています(廃止となった名古屋港線にも走っていました)。
まさに東海地方の在来線、3セク鉄道を支える貴重な裏方で、「ドクター東海」があるからこそ、毎日安心して乗車できることに。
2005年に2編成体制となり、JR東海の在来線全線では1ヶ月に2回(昼間・夜間各1回)の検測を実施しています。
つまり、どの線でも1ヶ月に昼間・夜間各1回しか出会うチャンスはありません。
まさに「しあわせの黄色いディゼルカー」なのです。
ドクターイエローが消えても、「ドクター東海」は健在! | |
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