縄文時代早期に出現し、弥生時代の到来とともに姿を消した土偶。文化庁によれば、国内の縄文遺跡から出土した土偶は1万5000個以上。そのなかで中空土偶(北海道)、合掌土偶(青森県)、縄文の女神(山形県)、縄文のビーナスと仮面の土偶(長野県)が、国宝五大土偶です。
中空土偶|著保内野遺跡(北海道函館市)
出土地:北海道函館市尾札部町/著保内野遺跡
遺跡の時代:縄文時代後期後半(3200年~3500年前)
大きさ:高さ41.5cm、幅20.1cm、重さ1745gで、中空土偶としては国内最大
展示場所:函館市縄文文化交流センター/北海道函館市臼尻町551-1
内容:昭和50年8月24日、当時の茅部郡南茅部町のジャガイモ畑で偶然発見された土偶
内部が空洞で、頭部から脚先まで全身が薄く精巧に制作されています
合掌土偶|風張1遺跡(青森県八戸市)
出土地:青森県八戸市是川犾森/風張1遺跡
遺跡の時代:縄文時代後期後半(3500年前頃)
大きさ:高さ19.8cm、横幅14.2cm、奥行き15.2cm、重さ1050g
展示場所:八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館/青森県八戸市是川横山1
内容:世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産である是川遺跡の対岸に位置する風張1遺跡(住居跡は253軒発見)の緊急発掘調査で出土した土偶
座った状態で両腕を膝の上に置き、正面で手を合わせ、指を組んだポーズ(合掌のポーズ)を取っていることが名の由来です
縄文の女神|西ノ前遺跡(山形県舟形町)
出土地:山形県最上郡舟形町舟形505−11/西ノ前遺跡
遺跡の時代:縄文時代中期(4500年前)
大きさ:45cm、3.155kg(復元重量)
展示場所:山形県立博物館/山形県山形市霞城町1-8
内容:昭和61年国道13号線尾花沢新庄道路工事のための山形県教育委員会の調査で発見された遺跡で、頭部、胸部、腰部、脚部の5片に分かれて出土
均整のとれた八頭身の全身立像から「縄文の女神」の名が生まれました
縄文のビーナス|棚畑遺跡(長野県茅野市)
出土地:長野県茅野市米沢埴原田/棚畑遺跡
遺跡の時代:縄文時代中期(4000年〜5000年前)
大きさ:高さは27cm、重さ2140g
展示場所:茅野市尖石縄文考古館/長野県茅野市豊平4734−132
内容:霧ヶ峰の南斜面の山裾に広がる台地の上、米沢埴原田(よねざわはいばらだ)の工業団地の造成に伴い、昭和61年に出土した土偶
ハート形のお面を被ったような顔に切れ長のつり上がった目、尖った鼻に針で刺したような小さな穴、小さなおちょぼ口で、お腹とお尻は大きく張り出し、妊娠した女性の様子を表現
縄文時代の遺跡から出土した土偶で初の国宝指定
仮面の土偶|中ッ原遺跡(長野県茅野市)
出土地:長野県茅野市湖東花蒔6404/中ッ原遺跡
遺跡の時代:縄文時代後期前半(4000年前)
大きさ:高さ34cm、重さは2.7kg
展示場所:茅野市尖石縄文考古館/長野県茅野市豊平4734−132
内容:逆三角形の仮面がつけられた中空土偶
中ッ原遺跡のほぼ中央、墓と考えられる穴が密集する場所で、穴の中に横たわるように埋められた状態で出土(右足が壊れた状態で出土していますが、人為的に取り外したことが判明しています)
国宝五大土偶とは!? | |
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