高速バスは、ネット予約の場合、比較的にキャンセル料が安く設定されています。それが高速バスの利用しやすさにつながっているのですが、一部、わがままな利用者は、この制度を悪用し、横並びの2席を予約、出発直前に、そのうちの1席をキャンセルという「相席ブロックが横行」しているのです。
「キングオブ深夜バス」の「はかた号」もキャンセル料値上げ

こうした「相席ブロックが横行」することで、バス会社も被害を受けますが、利用者も、本来なら乗車できるはずのバスが「満席」ということで利用できないという問題も。
ルール違反ともいえる公序良俗に反する行為ですが、キャンセル料が安いため、キャンセル料を支払ってでも、横に人が座らないようにブロックする人がいるのです。
こうした点を問題視したバス会社では、キャンセル料の値上げを実施。
とくに被害の大きかった「キングオブ深夜バス」の称号で名高い夜行高速バス「はかた号」(西鉄バス)は、これまで乗車当日でも110円だったところ、11日前〜9日前20%、8日前〜2日前30%と段階的に引き上げ、前日以降のキャンセル料は50%にまで引き上げています。
宿泊料金などは、前日以降のキャンセルは100%というところもあるので、50%は少し穏便な感じもしますが、これまで110円だったことを考えれば、大きな改革です。
結果、一部の相席ブロックによって、直前に子供が熱を出したからキャンセルなどという人に被害が及ぶことに。
ただし、西鉄バスの「はかた号」は3列独立シートで、相席ブロックの意味はあまりなく、相席ブロックというよりも、「乗る可能性がある便をまずは抑えておき、直前にキャンセルする」という人を排除しようという目的かとも推測できます(西鉄バスは手数料改定の理由について、公表していません)。
背景にある法令は、乗合バスの場合は、「標準運送約款」で、取消手数料について、乗車券は一律で110円以内と定められています。
その一方で、乗車する自動車を指定した乗車券、座席券(指定席券)などは、予約日〜12日前が110円以内で、11日前〜9日前が20%以内、8日前〜2日前が30%以内、前日から出発2時間前までが50%以内、出発2時間前以降は100%以内と定められており、今回の西鉄バスは、これに従った改訂です。
今後も、普通乗車券手数料から、指定席券の取消手数料に変更するバス会社が増えることが予想され、すでに京王バス・新宿ー富士五湖線などでも採用されています。
京王バスも「席の予約のみで未決済の状態が続き、運行当日も客が来ないまま空席で推移することもあった」ことで、手数料アップに踏み切ったとしています。
一部では「相席が嫌なら2席分を買えばいい」という人もいますが、これもマナー違反(ルール違反)。
基本的に座席は1人1席なのですから(列車もバスも、同一人同一区間については乗車券類は1枚しか有効にならない原則があります)。
高速バス「相席ブロックが横行」で、キャンセル料が大幅値上げに!? | |
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