福岡県田川市伊田、筑豊炭田随一の規模を誇った三井田川鉱業所伊田坑の跡地に整備され、平成17年に開園したのが石炭記念公園。国の登録有形文化財に指定される伊田竪坑櫓(いたたてこうやぐら)と伊田竪坑第一煙突、第二煙突がシンボル的な存在に。公園内には田川市石炭・歴史博物館も建っています。
筑豊炭田随一の規模を誇った伊田坑跡地を整備
筑豊炭田は、炭鉱開発が本格化した明治中期から昭和20年代にかけて、遠賀川流域で開発された日本最大の炭田。
なかでも三井田川鉱業所は最大の炭田で、伊田坑はその主力坑でした。
明治33年、田川採炭組を買収して三井田川炭礦(後の三井田川鉱業所)が発足し、明治38年に大竪坑の開鑿を開始、明治42年に櫓が建ち、明治43年に採炭を開始していますが、工事途中でガス爆発などもあって30名の死傷者を出しています。
昭和39年3月に閉山するまで、筑豊炭田の採炭を支えていました。
明治末には、三菱方城炭鉱竪坑(みつびしほうじょうたんこうたてこう/福岡県福智町)、日鉄二瀬炭鉱竪坑(飯塚市)とともに日本三大竪坑と称されていました。
伊田竪坑櫓、伊田竪坑第一煙突、伊田竪坑第二煙突は、築造当時から位置を変えずに建っていて、筑豊炭田の貴重な歴史遺産になっています。
竪坑櫓は、坑内から人や石炭を運ぶケージを昇降させるための施設。
現存する伊田竪坑櫓は、明治42年、イギリスのアレクサンダー・ファインドレー社が築いたもので、高さ28.4m。
鋼材もイギリスから輸入で、「LANARK SHIRE STEEL Co.」「GLEN GARNOCK STEEL」など複数の製鉄所の刻印が確認できます。
第一煙突と第二煙突は、北側にあった汽罐場(ボイラー室)に付属する排煙用の煙突として、竪坑掘削と同時に建設されたもので、ドイツ製のレンガ造り(内面は国産の耐火レンガ)、高さはなんと45.45m。
炭坑節に「あんまり煙突が高いので♪」と歌われるのは、このふたつの煙突のこと。
公園内にはこのほか、「炭坑夫之像」、『炭坑節』の発祥地であることを示す「炭坑節発祥の地碑」、『炭坑節』が刻まれた「炭坑節之碑」、多目的広場、ちびっこ広場、展望広場があります。
展望広場には韓国人徴用犠牲者慰霊碑、田川地区炭坑殉職者慰霊之碑、強制連行中国人殉難者・鎮魂の碑が立っています。
毎年11月の第1日曜とその前日には、石炭記念公園を会場に『TAGAWAコールマインフェスティバル~炭坑節まつり~』も開催。
一帯は、筑豊炭田遺跡群・三井田川鉱業所伊田坑跡として国の史跡にもなっています。
石炭記念公園 | |
名称 | 石炭記念公園/せきたんきねんこうえん |
所在地 | 福岡県田川市伊田2734-1 |
関連HP | 田川市公式ホームページ |
電車・バスで | JR・平成筑豊鉄道田川伊田駅から徒歩5分 |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 田川市建設経済部都市計画課 TEL:0947-85-7150/FAX:0947-46-0124 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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