毎年8月第2土・日曜、岩手県一関市藤沢町の藤沢運動広場で『藤沢野焼祭』が開催されます。昭和51年に農民考古学者で陶芸家の塩野半十郎氏の指導を得て、「縄文野焼き」を再現。それをきっかけに「土と炎の祭典」として地元中学生が扮する「縄文人の火起こし」などをメインに据えて、毎年開催されるユニークなイベントです。
穴窯で焼成する作品で「塩野半十郎大賞」選出
一関市藤沢町には、十文字遺跡をはじめ縄文時代中期の遺跡が点在。
「縄文人の火起こし」は、板の上で木の棒を回転させ、その摩擦熱で熾火(おきび)を作る回転摩擦式発火法の一種「舞錐式(マイギリ式)」と呼ばれる方法。
静岡県の登呂遺跡から類似のものが発掘され、古代の発火方法として喧伝(けんでん)された時期がありましたが、現在では縄文時代の火起こしは、錐揉み式(キリモミ式)だったと推測されています。
縦8m、横4mの穴窯11基で焼き上げらた陶器1000点が展示されますが、夜を徹して焼成された作品は、翌朝、窯から出され、8人の審査委員によって審査が行なわれ(作品の大きさ、形状は自由)、最高賞の「塩野半十郎大賞」などが贈呈されます。
さらに、全国の高校生を対象とした「熱陶甲子園」も。
会場では、多彩なステージイベントのほか「縄文の食」も用意されています。
ちなみに、縄文時代に造詣のある岡本太郎は『藤沢野焼祭』に参加して、感動。
「ここには縄文人がたくさんいる。ここから縄文人をどんどん増やし、日本中、世界中、あの祭りに参加している皆さんのような生き生きとした顔、動きが宇宙に満ちていく、その原点が藤沢であってほしい」と訴えてブロンズ像「縄文人」を寄贈、『炎』という作品を生み出しています。
「創造」という文化と「無二」という美学を体験できる、ユニークなイベントになっています。
藤沢野焼祭|一関市 | |
開催日時 | 毎年8月第2土・日曜 |
所在地 | 岩手県一関市藤沢町藤沢仁郷50 |
場所 | 藤沢運動広場 |
関連HP | 藤沢野焼祭公式ホームページ |
電車・バスで | JR花泉駅からタクシーで30分 |
ドライブで | 東北自動車道若柳金成ICから約30km |
駐車場 | 50台 |
問い合わせ | 藤沢野焼祭実行委員会(一関市役所藤沢支所産業経済課内)TEL:0191-63-5317/FAX:0191-63-5133 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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