サイトアイコン ニッポン旅マガジン

夏の夜の定番! 日本三大怪談とは!?

日本三大怪談

月岡芳年『新形三十六怪撰_皿やしき於菊乃霊』

夏の夜の定番となる怪談話ですが、江戸時代にはすでに幽霊も娯楽の対象となりつつありました。江戸の三大改革を背景に生まれたのが、「うらめしや~」の『四谷怪談』、「いちまーい、にまーい・・・」の『皿屋敷』、そして「からーんころーん」の下駄の音が恐ろしい『牡丹燈籠』です。

四谷怪談|「うらめしや~」

歌川国芳『神谷伊右エ門 於岩のばうこん』(大英博物館)

設立年代:『四谷雑談集』は享保12年(1727年)
作品:鶴屋南北『東海道四谷怪談』(歌舞伎)は文政8年(1825年)、江戸・中村座で初演
事件の場所:東京都新宿区左門町(於岩稲荷田宮神社)
内容:貞女・岩が夫・伊右衛門に毒殺され(毒薬のために顔半分が醜く腫れ上がったまま髪を梳き悶え死ぬ=歌舞伎二幕目・伊右衛門内の場)、幽霊となって復讐を果たす物語
実話:四谷在住の御先手鉄砲組同心・田宮又左衛門の一人娘・お岩は、容姿に難があり、結婚もままなりませんでしたが、浪人・伊右衛門を田宮家の婿養子に迎えます
伊右衛門は上司の与力・伊東喜兵衛の妾(めかけ)と恋仲になり、岩を騙すと田宮家から追い出したところ田宮家には不幸が続き断絶
跡地では怪異が発生したことから於岩稲荷を建立

四谷於岩稲荷田宮神社

東京都新宿区左門町17、四谷三丁目交差点の南、須賀神社の西にあるのが、四谷於岩稲荷田宮神社(よつやおいわいなりたみやじんじゃ)。4代目・鶴屋南北の『東海道四谷怪談』の主人公・お岩ゆかりの社と伝えられています。もともとは御先手組同心・田宮家の

妙行寺・お岩の墓

東京都豊島区西巣鴨4丁目、東京さくらトラム(都電荒川線)沿いに建つ法華宗陣門流の寺が、妙行寺。その境内にあるのが、お岩の墓。雑司ヶ谷四谷町での怪談『四谷怪談』の主人公ともされるお岩(於岩)ですが、怪談はあくまで創作で、真相は夫婦仲睦まじかっ

皿屋敷|「いちまーい、にまーい・・・」

葛飾北斎「百物語・さらやしき」

設立年代:18世紀の初頭
作品:享保5年(1720年)、京・榊山四郎十郎座が歌舞伎『播州錦皿九枚館』を上演
寛保元年(1741年)、大阪・豊竹座で浄瑠璃『播州皿屋敷』を初演
事件の場所:『播州皿屋敷』=播州姫路、現在の兵庫県姫路市
番町皿屋敷』=江戸・番町(現在の東京都千代田区一番町〜六番町)が舞台
全国に同様の皿屋敷伝承があります
内容:『番町皿屋敷』=天樹院(千姫)の屋敷跡に住居を構えた火付盗賊改(ひつけとうぞくあらため)・青山主膳(青山播磨守主膳=架空の人物)に奉公する菊は、主膳が大事にしていた皿10枚のうち1枚を割ってしまいます
それに怒った主膳は、皿1枚の代わりにと菊の中指を切り落とし、手打ちにするといって監禁
菊は縄付きのまま部屋を抜け出して裏の古井戸に身を投げ、以降、井戸の底から「いちまーい、にまーい・・・」と皿を数える声がするように
この事件は公儀の耳にも入り、主膳は所領を没収され、小石川伝通院の了誉上人に鎮魂の読経を依頼
了誉上人の耳にもこの皿を数える声が届きますが、8枚、9枚と数えたところで、了誉上人が10と応えると、菊の亡霊は「あらうれしや」と言って消え失せたました

姫路城・お菊井戸

お菊の亡霊が井戸で夜な夜な「一枚、二枚・・・」と皿を数えるという怪談の舞台ともいわれるのが姫路城・上山里にあるお菊井戸。釣瓶取井戸(つるべとりいど)が正式名ですが、現在では「お菊井」という石柱まで配されています。ところが、この話、史実ではな

牡丹燈籠|「からーんころーん。からーんころーん」

月岡芳年『新形三十六怪撰 ほたむとうろう』

設立年代:幕末
作品=落語の怪談噺がルーツで、明治25年歌舞伎『怪異談牡丹燈籠』上演
作者:三遊亭圓朝(さんゆうていえんちょう=初代)、歌舞伎は3代目・河竹新七
事件の場所:三遊亭圓朝の落語は江戸が舞台
内容:美男の浪人・萩原新三郎と旗本飯島平左衛門の娘・お露は互いに一目惚れ
お露は夜ごと牡丹灯籠を下げて新三郎の元を訪れ、逢瀬を重ねますが、実はお露の正体は幽霊で、 日ごとやつれてゆく新三郎
旅の修験者が真言を唱え、さらに家中に札を貼って期限の日まで籠もってお露(幽霊)を避けますが、毎晩お露は家の周りに現れます
修験者がそれまでは開けるなと諭した最終日、新三郎は、朝になったと騙され(命よりもお露が大切と悟り)、自らお札を剥がして外へ出てしまいます

夏の夜の定番! 日本三大怪談とは!?
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了