岐阜県大野郡白川村荻町、世界文化遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」に登録される、白川郷・荻町合掌造り集落にある明治23年築の5階建て(中2階含む)の合掌造りの家が長瀬家。和田家、神田家と並ぶ大きな合掌造り建築で、内部の見学が可能。
明治23年築の5階建て合掌造りを見学
長瀬家は、初代から3代までは医者で加賀前田藩の藩医を務めた家柄。
1階には500年前の作といわれる壮麗な仏壇、美術品、什器、江戸期の医療具などを展示、3・4階には生活用具が展示されています。
平成13年には片面1万2000束の茅を使った大規模な葺き替え作業が実施されていますが、総費用は茅代(かやだい)、材料代だけでも2000万という巨大なプロジェクトでした。
昔ながらの「結」(ゆい)による村総出の葺き替えは、村でも30年ぶりで(長瀬家では大正時代以来)、全国から集まったボランティアを含め総勢500名で屋根の葺き替えが行なわれました。
この様子はNHKスペシャル『80年ぶりの大屋根ふき』として放送され話題に。
合掌造り集落を支える「結」と「合力」
「結」(ゆい)と呼ばれる共同作業は、村人同士による労働の貸借(提供された労働に等量の労働をもって返すのが建て前)で、以前は田植え、稲刈り、養蚕、材木の伐採などの農作業にもこの「結」制度が使われていました。
「結」の対象となる最大の行事が大屋根の葺き替えで、葺き替えは村の生活の知恵を伝える貴重な場、機会ともなっているのです。
「合力」(こうりゃく)は、家普請(やぶしん=家を建てること)や冠婚葬祭時、あるいは災害時などに集落の慣習として自発的に労働力を提供するもので、反対給付(おかえし)を条件としない労働奉仕です。
世界文化遺産となった「白川郷・五箇山の合掌造り集落」が維持されてきた背景には、こうした目標や責任を共有し、さらには対等性、補完性が確保される協働(cooperation)的な風土があったのです。
長瀬家 | |
名称 | 長瀬家/ながせけ |
所在地 | 岐阜県大野郡白川村荻町823-2 |
関連HP | 白川郷観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR高山駅から濃飛バス(予約制)白川郷行きで2時間、せせらぎ公園下車、徒歩1分。JR高岡駅より加越能バス五箇山線で2時間30分、荻町神社前下車、徒歩10分 |
ドライブで | 東海北陸自動車道白川郷ICから約4.5km。または、荘川ICから約34.5kmでせせらぎ公園駐車場 |
駐車場 | せせらぎ公園駐車場(200台/有料)・みだしま公園臨時駐車場(120台/有料)・寺尾臨時駐車場(600台/有料) |
問い合わせ | 長瀬家 TEL:05769-6-1047/FAX:05769−6−1802 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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