岐阜県関市板取、21世紀の森公園内にある異色スポットが、株杉の森。推定樹齢400~500年という杉が50株ほど群生していますが、朽ちゆく古木や伐採した幹を苗床にして、新たな芽が出て複数に枝分かれし、見事に茂ったもので、世界的にも非常に珍しいものなのだとか。
人々の営みと自然の力が融合して生まれた不思議な森
通常、杉は1本の真っすぐな幹を伸ばしますが、21世紀の森周辺では、江戸時代頃から樹高が20m~30mに達すると、建材にするため伐採していました。
伐採後に生まれた株(切り口)から新しく芽が出て、地上数メートルで複数に枝分かれしたのが株杉です。
多いものは、1株で10本以上の幹を有していますが、全国的に見ても50株もの株杉が密集するのはここだけ。
岐阜県の奥美濃にあたる関市。
もともとこの地の杉は、切り株から芽が出やすい特質があることが基本。
さらに冬は雪深い場所で、伐採は杉が雪の上に出た地表から2m~3mの位置を切るため、高所で芽吹いて枝分かれする杉が増えたと推測されています。
杉を伐採し、切り株から枝分かれして成長するかなどを調べ、メカニズムを解明する実験も行なわれています。
原生林ではなく、伐採(一部には大雪で倒れた杉から芽吹いた例もあります)という人々の営みと自然の力が融合して誕生した株杉の森。
後世に受け継ぐためにも、まずはそのメカニズムの解明が必要なのです。
株杉の森は、標高1068.8mの蕪山(かぶらやま)の山中にあり、株杉を経由して蕪山を登るハイキングコース「21世紀の森蕪山コース」途中に位置しています。
21世紀の森公園駐車場から、自然遊歩道を使って徒歩15分ほどで到達可能。
周辺にはモネの池などもあるので、時間が許せばあわせて見学を。
モネの池にスイレンが花咲く5月末〜10月は、ちょうど株杉の森探勝にも最適な季節です。
株杉の森 | |
名称 | 株杉の森/かぶすぎのもり |
所在地 | 岐阜県関市板取2340-5 |
関連HP | 関市観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 東海北陸自動車道美濃ICから約36km |
駐車場 | 80台/無料 |
問い合わせ | 関市板取事務所 TEL:0581-57-2111 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag