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至仏山

至仏山

群馬県利根郡片品村・みなかみ町、尾瀬ヶ原の真正面にそびえる美しい山が、至仏山(標高2228.0m)。深田久弥の日本百名山にも選定され、至仏山の裾が尾瀬ヶ原に鼻のように突き出す山ノ鼻から登るルートが最短コース(上り専用、下山禁止)で、2時間30分のコースタイムです。

山ノ鼻から登るルートは登り専用

尾瀬ヶ原から眺めた至仏山

山ノ鼻は標高が1400mほどで、一気に800mもの高度を克服するため、息の切れるルートですが、振り返ると眼下に尾瀬ヶ原の雄大な湿原を眺望することができます。
時間的には2時間30分ですが、きつい登りが連続するため、尾瀬でも健脚向きコースとなっています。

鳩待峠(標高1591m)から小至仏山を経て至仏山に至るルートは時間的は2時間40分ほどとさほど変わりませんが、山ノ鼻からの東面登山道に比べて傾斜が緩く、高度差も640mほどで比較的歩きやすいルートとなっています。
明るいブナ林を歩き、途中の小至仏山手前、オヤマ沢田代までは樹林帯歩きとなります。
コースの欠点としては東面登山道が登り専用なので、往復しなければいけない点です。

至仏山は、標高こそ2228.0mですが、日本アルプスの高山帯のような高山植物で有名です。
実は、山頂部(森林限界より上部)は超塩基性の蛇紋岩(じゃもんがん)で、蛇紋岩残存植物(オゼソウ、カトウハコベなど)、蛇紋岩変形植物(ホソバヒナウスユキソウ、シブツアサツキなど)特有の植物が生育します。

こうした環境は北アルプスでは八方尾根が知られますが、尾瀬では至仏山が唯一の蛇紋岩エリアとなっています。
蛇紋岩は、雨後など滑りやすいという難点があり、至仏山でも滑落や転倒に注意が必要です。

蛇紋岩は、2億3000万年前に海底で形成された岩(上部マントルを構成するかんらん岩が水の影響により変質してできた岩石)で、1億年前に地殻変動によって隆起して至仏山を形成。
つまりは尾瀬最古の山ということに。

至仏山の北側にハイマツが茂り、南側のオヤマ沢田代などに湿原が展開するのは、冬の強い北風によって飛ばされた雪が南斜面に厚く積もるという地形的な要因から。

山ノ鼻の至仏山登山道入口
至仏山
名称 至仏山/しぶつさん
所在地 群馬県利根郡片品村戸倉
関連HP 尾瀬保護財団公式ホームページ
電車・バスで JR沼田駅から関越交通バス大清水方面行きで1時間30分、鳩待峠行きバス連絡所下車、関越観光バス鳩待峠行きに乗り換え25分、終点下車
ドライブで 関越自動車道沼田ICから約45kmで鳩待峠。GW、夏休み、紅葉シーズン(10月)にはマイカー規制を実施するためスノーパーク尾瀬戸倉駐車場に車を入れ路線バス、タクシーを利用
駐車場 鳩待峠駐車場(50台/有料)、マイカー規制時はスノーパーク尾瀬戸倉駐車場(500台/有料)を利用
問い合わせ 尾瀬保護財団 TEL:027-220-4431
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

尾瀬ヶ原

群馬・福島、新潟県境、尾瀬国立公園に指定される日本有数の高層湿原で、ラムサール条約の登録湿地。2000m級の山々に取り囲まれた標高1400mの盆地に、東西約6km、南北2kmにわたって大湿原が広がっています。上田代、中田代、下田代に分かれ、

尾瀬山の鼻ビジターセンター

群馬県利根郡片品村戸倉、鳩待峠から徒歩1時間、尾瀬ヶ原西側の入口・山の鼻地区にあり、湿原散策の前にぜひ立ち寄りたいのが尾瀬山の鼻ビジターセンター。群馬県が設置し、尾瀬保護財団が管理運営を行なう尾瀬国立公園の自然を解説するビジターセンターです

燧ヶ岳

東北以北の最高峰、標高2356m(柴安嵓=しばやすぐら)の燧ヶ岳(ひうちがたけ)。約35万年前に火山の噴火によって誕生した美しいフォルムの安山岩型の成層火山です。燧ヶ岳の噴火で流出した溶岩流が、只見川(ただみがわ)水系をせき止め、山麓に尾瀬

 

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