広島県廿日市市宮島口1丁目、JR宮島口駅前、JR宮島フェリーのりばへの途中に店を構えるのが、あなごめしうえの。名物「あなごめし」は、創業者・上野他人吉(うえのたにきち)が、宮島駅(明治30年開業、昭和17年に宮島口駅に改称)の駅売弁当として販売したのが始まりで、まさにルーツの店。
宮島口駅の名物駅弁「あなごめし」の製造販売元
宮島参道や宮島口駅前に軒を連ねるあなご料理専門店。
名物のカキは養殖ですが、アナゴは大半が天然物。
『芸藩通志』にも阿奈吾(アナゴ)の味は、「皆当島邊(あたり=宮島沖)の産、味佳(か)なりとす」と記され、上方の穴子の蒲焼き文化と融合し、「あなごめし」、穴子丼として、宮島に根付いていったもの。
宮島口駅近くにある「あなごめしうえの」は、山陽鉄道宮島駅(現・宮島口駅)開業(明治30年)から間もない明治34年創業。
宮島で米を商っていた上野他人吉が駅前参道に開いた茶店(汽車や船待ちの茶店)で、郷土料理の穴子丼を販売、さらに宮島駅で立売を始めた駅弁「あなごめし」は、今や全国屈指の人気駅弁にまで成長しています。
海軍兵学校があった江田島と、宮島、宮島口が海上ルートにもなっていたことから、日露戦争以降には、厳島神社が戦争へ旅立つ前にしゃもじに武運長久を記して、奉納祈願する社としての役割も担い、宮島口にも全国から多くの人が集まるようになったのです。
戦時中に米不足でいったんは途絶えますが、戦後に復活。
昭和30年代、観光バスや修学旅行でやってくる人を対象に、駅弁ならぬバス弁として人気が出たことで、宮島の多くの店も穴子丼をメニューに加えるようになりました。
こうして穴子丼の味が全国に知れ渡るようになり、宮島の参道には競うように穴子料理の看板が連なったというわけで、人気の源が、「あなごめしうえの」なのです。
素材のアナゴは産地まで直接買い付けに出かけるというこだわりよう。
穴子は素焼きにしてタレを3回付けて焼き上げ、御飯は白飯ではなく穴子の頭や骨を煮込んだ出汁で炊いたものを使用しています。
こうした作業工程は「すべてが創業当時のまま」とのこと。
弁当はできたてよりも味がしみこむ2~3時間後が食べ頃。
1階では食事もできるほか、駅弁「あなごめし」、「穴子の切落し」なども購入ができます。
弁当窓口、食事受付(待合所)は異なるのでご注意を。
2階は穴子の会席も味わえる「他人吉」(たにきち)で、こちらは電話予約が可能(1階は電話予約不可)。
創業者の上野他人吉の名を冠したコーナーで、のんびりと穴子料理を堪能できます(お子様用メニューも用意)。
本店のほか、広島三越地下1階に広島三越店があり、広島市街でも「あなごめし」を味わうことができます。
あなごめしうえの | |
名称 | あなごめしうえの/あなごめしうえの |
所在地 | 広島県廿日市市宮島口1-5-11 |
関連HP | あなごめしうえの公式ホームページ |
電車・バスで | JR宮島口駅から徒歩1分 |
ドライブで | 広島岩国道路廿日市ICから約5km |
駐車場 | 7台/無料 |
問い合わせ | あなごめしうえの TEL:0829-56-0006/FAX:0829-56-3187 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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