サイトアイコン ニッポン旅マガジン

豊似湖

豊似湖

北海道えりも町。襟裳岬の北側、日高山脈の森のなかにひそむ北海道屈指の秘湖が豊似湖(とよにこ)。上空から眺めると、ハート型をしているユニークな形の湖で、エメラルド色の湖水をたたえています。アイヌの人々には、「カムイトウ」(kamuy-to=神の沼)と呼ばれていました。黄金道路途中から猿留川林道で湖畔近くまで到達できます。

断層上にあるハート型の堰止め湖

国道336号(黄金道路)、途中のえりも町目黒(えりも黄金トンネル北入口・猿留川橋近くで分岐)から町道を走ると豊似湖への猿留川林道(林道猿留川線)の表示が出ます。
分岐から2kmほどで豊似湖入口の駐車場。
入林届に記入し、ヒグマなどを警戒しながら200mほど歩けば湖畔に出ます。

周囲1km、水深は最深部18m、近年はハートレイクとして注目されていますが、地元では馬蹄(ばてい=馬の足につける蹄鉄)に似ていることから「馬蹄湖」という通称があります。
湖を一周する道はなく、湖岸の一角に立てるだけですが、今でもナキウサギの生息する原始性を保っているので、環境保全にはくれぐれも留意を。
湖にある魚影は人の手で持ち込まれたニジマス。
周囲はヒグマの生息地なので、単独行動は避けるのが賢明。

豊似湖の成因については、様似町旭〜追分峠〜百人浜にかけて南北に走る断層「猿留せん断帯」(断層を境に北側には日高変成帯、南側には変成していない海洋起源の日高累層群)の上にあり、山崩れの土砂などで堰き止められたものだと推測されます(北アルプス山麓の青木湖などと同じ成因)。

ちなみに入口となるえりも町目黒地区は、猿留(さるる)への最初の移住者となった箱館の鋳物師・目黒源吉に由来。
江戸時代〜明治時代の交易路は、伊能忠敬が測量し、最上徳内が開削した北海道最初の山道・猿留山道(さるるさんどう)と呼ばれる山道で、松浦武四郎も沼見峠からこの豊似湖を目にしています(猿留山道=追分峠〜沼見峠〜猿留川河口・現在の目黒/入山には登山の装備が必要)。
昭和初年まで、この猿留山道は交易路として使われ、えりも町にはこの山道で嫁に来たなどという人もいたそうです。

豊似湖
名称 豊似湖/とよにこ
所在地 北海道幌泉郡えりも町豊似湖
関連HP えりも町公式ホームページ
ドライブで とかち帯広空港から約85km。日高自動車道日高富川ICから約155km
駐車場 5台/無料
問い合わせ えりも町産業振興課 TEL:01466-2-4626/FAX:01466-2-4633
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

ハート形の湖、豊似湖は神の沼!

北海道の南に突き出した襟裳岬から黄金道路と呼ばれる国道を帯広方面に走り、猿留川(さるるがわ)沿いの林道を上流へと走らせたところに豊似湖があります。日高山脈襟裳国定公園唯一の自然湖ですが、空から見るとなんと湖の形がハート形に見えます。アイヌの

えりも黄金トンネル

国道336号線のえりも町庶野地区〜広尾町の31.7kmが黄金道路。昭和9年の開通時には海岸沿いを覆道などで克服していましたが、現在は道路改良が進み、多くのトンネルが築かれています。えりも町にあるえりも黄金トンネルは、平成23年に完成。延長4

黄金道路展望台(望洋台)

国道336号のえりも町の庶野から広尾までの31.7kmが黄金道路。道路の起源は寛政10年(1798年)ともいわれその建設費の多さに「黄金を敷き詰めるくらいに資金がかかった」ということから黄金道路と呼ばれています。日高山脈襟裳国定公園内の断崖

襟裳岬

北海道幌泉郡えりも町、標高2052mの幌尻岳を中心に、南北に連なる日高山脈が太平洋に落ち込んだ岬が襟裳岬(えりもみさき)です。60mの断崖上に建つ襟裳岬灯台から、馬の背状の尾根が続き、さらに沖合約7kmまで、岩礁がのびています。岬には、強風

フンベの滝

北海道広尾郡広尾町、国道336号(黄金道路)の広尾橋から襟裳岬(えりも町)方面に少し走ったフンベ地区の海岸に落ちる滝がフンベの滝。フンベとはアイヌ語のフンペ(humpe)で、クジラの意(フンと音を出すもの)。つまり海流の影響でこのあたりには

近藤重蔵道路開削記念碑

北海道広尾町の海岸線を走る国道336号(黄金道路)途中のルベシベツに立つ江戸時代の道路開削を記念して立てられた石碑が近藤重蔵道路開削記念碑。当時、急峻な日高山地に阻まれて、十勝と襟裳・日高を結ぶ満足な道路がなく、近藤重蔵が現在の広尾町ルベシ

百人浜

北海道えりも町、襟裳岬(えりも)から庶野(しょや)まで続く15kmの砂浜。百人浜のバス停前にある一石一字塔は、江戸時代に南部藩の御用船が難破し、この浜で息絶えた100人の乗組員の供養塔。これが百人浜の名の由来となっています。その横には悲しい

日本三大ハート湖とは!?

日本の天然湖沼の数は環境省の調査(平成5年)によると、480湖で、ダム湖、遊水池を加えても3200ほど。このなかでハート形で知られるのは豊似湖(北海道)と谷中湖(渡良瀬遊水地/栃木県・茨城県・群馬県・埼玉県)、そして北竜湖で、この3湖が日本

日本最大の広さを誇る「日高山脈襟裳十勝国立公園」誕生!

2024年6月25日(火)、日高山脈襟裳国定公園をベースに、そのおよそ2.4倍、25万haという広大な面積の日高山脈襟裳十勝国立公園が誕生。日高管内7町村、十勝管内6市町村にまたがる日本最大の国立公園で、明治時代に狩勝峠に鉄道が開通した際、

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了