日本最大の広さを誇る「日高山脈襟裳十勝国立公園」誕生!

日高山脈襟裳十勝国立公園

2024年6月25日(火)、日高山脈襟裳国定公園をベースに、そのおよそ2.4倍、25万haという広大な面積の日高山脈襟裳十勝国立公園が誕生。日高管内7町村、十勝管内6市町村にまたがる日本最大の国立公園で、明治時代に狩勝峠に鉄道が開通した際、外国人から「日本のロッキー」と称された山並みです。

2つの大陸プレートの衝突によって日高山脈が誕生!

日高山脈が、最後に沖に伸びる岩礁となって海に落ちるのが、襟裳岬(えりもみさき)。
岬の基部には空から眺めるとハート型の豊似湖が眠っています。

日高山脈の最高峰は、標高2052mの幌尻岳(ぽろしりだけ)を最高峰に、2000m級の高峰が並びます。
氷河地形のカール(圏谷)も発達し、アルペン的な風貌ですが、実は登山の難易度では、国内屈指。
アプローチも長く、山も急峻、谷も険しく、行く手を阻みます。
また本州のように山小屋も整備されていないので、深田久弥『日本百名山』に選定の幌尻岳を除くと、登山者の数も多くはなく、熟達者向けのコースばかりです。

しかも北海道でも有数のヒグマの生息地。
逆にいえばそれだけ山深く、これまで開発を阻んできたことに。
流れ出す川の清流度も定評があり、日高山脈を源流に帯広市内を流れる札内川(さつないがわ)は、清流日本一の常連です。

手頃な山として人気のアポイ岳(標高810.5m、様似郡様似町)は、アポイ岳ユネスコ世界ジオパークにも選定される貴重な自然が残される地。
日高山脈は1300万年前に起きた、2つの大陸プレートの衝突によって生まれた山並みですが、衝突の際、地殻の下にあるマントルの一部が突き上げられるように地上に現れたのが「幌満かんらん岩体」で、アポイ岳の正体です。
地球深部のマントルの情報をそのまま有したアポイ岳は世界的にも注目の山で、アポイ岳の高山植物群落は国の特別天然記念物にも指定されています。

これまで国立公園に指定されなかったのが不思議なくらいの日高山脈。
まずはアポイ岳、襟裳岬辺りから旅するのも入門編としておすすめです。

日本最大の広さを誇る「日高山脈襟裳十勝国立公園」誕生!
所在地 北海道帯広市、清水町、芽室町、中札内村、大樹町、広尾町、日高町、平取町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町、新ひだか町
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
襟裳岬

襟裳岬

北海道幌泉郡えりも町、標高2052mの幌尻岳を中心に、南北に連なる日高山脈が太平洋に落ち込んだ岬が襟裳岬(えりもみさき)です。60mの断崖上に建つ襟裳岬灯台から、馬の背状の尾根が続き、さらに沖合約7kmまで、岩礁がのびています。岬には、強風

豊似湖

豊似湖

北海道えりも町。襟裳岬の北側、日高山脈の森のなかにひそむ北海道屈指の秘湖が豊似湖(とよにこ)。上空から眺めると、ハート型をしているユニークな形の湖で、エメラルド色の湖水をたたえています。アイヌの人々には、「カムイトウ」(kamuy-to=神

 

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