世界自然遺産に登録される知床羅臼。世界遺産に登録される最大の理由は、根室海峡のプランクトンの豊富さにあります。そのプランクトンや、魚を狙って、シャチ、マッコウクジラ、ミンククジラ、ナガスクジラなどがやって来ます。とくに夏休み頃なら波がなく、晴れた日ならマッコウクジラが9割以上の確率で遭遇できるのです。
夏はマッコウクジラも間近に観察できる
根室海峡は一気に深海へとドロップしているので、本来はかなりの沖に行かなければ観察できないマッコウクジラにも沿岸でも遭遇できるという地形的な利点があります。
さらに、根室海峡が堤防の役目をしているので、いわば巨大なプールに。
だから、波や霧のない日には、マッコウクジラが潮を噴くのが遠くからでも視認できるというわけなのです。
羅臼港を起点に、観光船で海のアルプスと呼ばれる知床連山を眺めながら、クジラを探すのが「羅臼(らうす)海上トレッキング」。
羅臼港から出航する「アルラン3世号」は、羅臼でクジラを最初に探し始めたルーツの観光船。
運輸省時代の認可航路も保有する老舗の観光船です。
夏休みには長崎大学水産学部が調査も実施
そんな観光船がクジラがやってくる5月〜10月になると、ホエールウォッチング船に変身。
海流や海水温の状態でクジラの回遊状況は異なりますが、例年5月〜9月頃が遭遇率が高いのが特長。
しかも夏休みには長崎大学水産学部の海棲哺乳類研究室が継続的にマッコウクジラの調査をしています。
日の出から日没まで「クジラの見える丘公園」に調査員が陣取って、マッコウクジラのブロウ(潮吹き)を確認。
そのポイントの位置情報を観光船に連絡してくれるので、万一、クジラが潜ってもそのポイント周辺で待ち続ければ、1時間以内に必ずマッコウクジラは浮上してくるというもの。
初夏には、シャチの大群、そして南半球のタスマニアからわざわざやってくるというハシボソミズナギドリ(1年のうちに累計距離にして3万2000kmを移動)の大群を観察できるのも羅臼ならでは。
ハシボソミズナギドリの数はといえば、「海が真っ黒になるくらい」(アルラン3世号・高橋船長の話)。
2月〜3月には流氷バードクルージングも実施し、オジロワシ、オオワシの群れを間近に観察できます。
実は、ヨーロッパなどから観光客を集めるのが、このバードウォッチングです。
このアイスアルジーを起点とする生態系で、知床は世界遺産に登録されたのです。
そんな豊かな根室海峡にシャチやマッコウクジラなどの鯨類が姿を見せまるのです。
知床羅臼ホエールウォッチング | |
名称 | 知床羅臼ホエールウォッチング/しれとこらうすほえーるうぉっちんぐ |
所在地 | 北海道目梨郡羅臼町本町羅臼港 |
関連HP | 観光船アルランⅢ世公式ホームページ |
電車・バスで | 中標津バスターミナルから阿寒バス羅臼行きで1時間30分、終点下車、徒歩10分で羅臼港 |
ドライブで | 根室中標津空港から約62kmで羅臼港 |
駐車場 | 羅臼港駐車場(20台/無料) |
問い合わせ | 知床アルラン TEL:0153-87-4477/FAX:0153-85-7977 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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