明治35年、日本で最初に保健保安林(空気の浄化や騒音の緩和に役立ち、生活環境を守る森)の指定を受けた貴重な森。一帯にまだ原始林が残る時代、明治25年の鉄道開通、明治33年の東洋一のコークス場(北海道炭礦鉄道追分骸炭製造所)操業という地域の発展を考え、貴重な森を後世に残そうとした壮大なプランがあったのでしょう。
日本最古の保健保安林は追分駅近くに
農林水産省が管轄する保健保安林は、災害の防備や水源かん養の機能を発揮する森ですが、近年、保健休養の場の提供という目的が強まっています。
鹿公園は、まさに保健保安林のルーツともいえる存在。
現在は、ホタル池を中心にエゾジカの丘、花回廊の森、萌えの森、イベント広場、赤いヒマワリ畑などが整備され、4月〜10月には鹿公園キャンプ場も開設されています。
森のなかには樹齢300年のコナラの大木もそびえていて、往時の大自然を偲ぶことができます。
赤いひまわり畑にはメキシコ、中南米原産のチトニアが植栽されるもの。
このひまわり、太陽神のシンボルで、中世アステカ帝国の国花ともいわれ、旧追分町は町おこしに活用していました。
安平町鹿公園の花の見頃
水芭蕉=4月中旬~5月上旬
桜=5月中旬~下旬
ツツジ=5月下旬~6月中旬
スイレン=7月中旬~8月中旬
赤いひまわり=7月下旬~9月下旬
追分菊池病院の菊池茂院長は、とある随筆で「赤いひまわり」のことを読んで、病院の周囲に植えようと考えました。
四方八方手をつくして、東京の種苗店で取り扱っていることが判明。
やっとのことで取り寄せて、周囲に蒔いたところ、気候風土がマッチしたのか、見事な赤いひまわりが咲いたのです。
残念ながら菊池茂院長は、開花を見届けるようにこの世を去っていますが、その遺志を継いだ息子さんの菊池正さんは、「赤いひまわりで追分町を元気にしよう」と決意。
「赤いひまわり100万本の会」を立ち上げ、町内各所に植え始めました。
平成4年に追分町の「町の花」に認定。
赤いひまわりは、安平町内の各所で植栽されていますが、なかでも見応えがあるのは鹿公園とは駅を隔てた反対側にある追分公民館(安平町追分緑が丘200-2)横の植栽地。
例年2000株が植栽されています。
見頃は例年、7月下旬~9月下旬。
赤いひまわり、正式名はキク科のチトニア(Tithonia rotundifolia)、メキシコヒマワリと呼ばれていますが、中世に中米で栄えたアステカ(1428年頃〜1521年、メキシコ中央部に栄えたメソアメリカ文明の国家)では、国花になっていたとか。
ちなみに赤いひまわりの花言葉は、「あなたは素晴らしい」です。
取材協力/千歳観光連盟
安平町鹿公園 | |
名称 | 安平町鹿公園/あびらちょうしかこうえん |
所在地 | 北海道勇払郡安平町追分白樺2-1 |
関連HP | 安平町公式ホームページ |
ドライブで | 道東自動車道追分町ICから約2.7km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 安平町鹿公園管理事務所 TEL:0145-25-4488 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag