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別海村営軌道風連線奥行臼停留所跡

別海村営軌道は、その後、国鉄標津線となった殖民軌道根室線がルーツ。創業時は厚床駅(あっとこえき)から中標津駅(なかしべつえき)に至る馬車鉄道で、昭和8年の標津線開業で残存したのが厚床〜上風蓮(かみふうれん)間の支線。昭和38年に馬車鉄道を止め、機関車および自走客車を導入し、標津線との接続を奥行臼駅に変更しています。

かつて道東の貴重な足だった軽便鉄道の駅跡

駅舎詰所

別海村営軌道風連線は、戦後に線路を敷設した希少な殖民軌道となっています。
高度成長による道路整備で昭和46年、廃線に。

標津線奥行臼駅跡に近い奥行臼停留所跡には、駅舎詰所と転車台が現存し、自走客車と機関車、貨車(ミルクゴンドラ)が静態保存されています。

開拓集落だった上風連地区は当時、「陸の孤島」といわれ、簡易軌道は地区の願いだったのです。

貨車(ミルクゴンドラ)が保存されるように人だけでなく牛乳の搬出にも活用されました。
客車は1日3往復で貨車は1往復でした。

別海村営軌道風連線の駅は、奥行臼(国鉄標津線に接続)〜奥行臼第一〜奥行臼第二〜奥行臼第三〜富山〜一号〜二号〜学校前〜四号〜五号〜七号〜上風蓮。

8t自走客車

自走客車は北海道開発局独自の用語で、レールバスのこと。
保存車両は、昭和38年11月に釧路製作所で製造されたもの。
エンジンはバス用の日野DS22を搭載しています。液体式の変速機と温風暖房を備えたボギー車です。

8t自走客車

内燃機関車

昭和36年6月、加藤製作所製の6tディーゼル機関車。
エンジンはトラック用の三菱ふそうKE-21を搭載。ミルクゴンドラ車やミルクタンク車、さらには貨車を牽引していました。

内燃機関車

ミルクゴンドラ車

農家から集めた集乳缶を上風連の集乳工場へと運ぶための2軸ボギー木製無蓋貨車。釧路製作所製。
集乳缶を2段に積んで内燃機関車、自走客車に牽引されていました。
現在は各農家がバルククーラー(牛乳冷却装置)を保有するため、タンクローリー車による集乳へと代わっています。

内燃機関車に牽引されるミルクゴンドラ車
別海村営軌道風連線奥行臼停留所跡
名称 別海村営軌道風連線奥行臼停留所跡/べっかいそんえいきどうふうれんせんおくゆきうすていりゅうしょあと
所在地 北海道野付郡別海町奥行
ドライブで 中標津空港から約39km
駐車場 10台/無料
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

標津線奥行臼駅跡

2017年5月10日

 

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