北海道上川郡上川町にあるJR石北本線の信号場が上越信号場(かみこししんごうじょう)。昭和7年10月1日、鉄道省石北線中越駅〜白滝駅間の延伸開通にともない上越駅として開業。標高634mで、北海道では最高所の停車場(駅・信号場・操車場)。昭和6年6月1日開通の石北トンネル西入口に位置しています。
石北トンネルの上川側入口にある信号場
石北本線の開通は、石北トンネルの貫通にかかるというほど、北海道の脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)を抜けるトンネル工事は「緊要」のものでした。
先行したこの清水トンネルの工法を参考に、当時国内で4番目となる長大なトンネルが完成したのは昭和6年6月1日(昭和6年9月1日、上越線清水トンネル完成)。
トンネルの上川(上越信号場)側が標高640m、白滝側が610mと、上川(上越信号場)側のトンネル内が、北海道の鉄道最高所になっています。
トンネル前後は25‰(パーミル=1000m走ると25mの高度差が生じる坂道)という登坂となるため、当時の蒸気機関車はこの坂道と、長大なトンネル通過による一酸化炭素中毒に悩まされていました。
上り坂で消費する水や石炭の供給も必要なため、トンネルの上川側の直前に上越駅が設けられたのです。
戦後、過疎化により、周囲に住民がいなくなり、昭和50年に旅客業務を停止し、信号場へと格下げになりました。
それでも信号場として残されたのは、この部分で複線となり列車交換ができるから。
現在では、ほとんど見向きもされない信号場ですが、石北本線(石北トンネル)開通の悲願と、峠越えの苦難の歴史を今に伝えているのです。
石北本線・上越信号場 | |
名称 | 石北本線・上越信号場/せきほくほんせん・かみこししんごうじょう |
所在地 | 北海道上川郡上川町上越 |
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