北海道函館市臼尻町、国道278号の臼尻漁港近く、標高32m~50mの海食段丘上にあるのが垣ノ島遺跡(かきのしまいせき)。世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡」の構成資産のひとつで、縄文時代、定住開始期後半の集落遺跡です。「コ」(U)の字形をした大規模な盛土遺構は、国内最大級の規模。
6000年という長期間、縄文人が暮らしたムラ
漁業資源が豊かな太平洋に面し、背後には落葉広葉樹の森が広がっています。
数キロ北には、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡」の構成資産になっている大船遺跡(おおふねいせき/縄文時代前期後半〜中期の遺跡)があります。
垣ノ島遺跡は、縄文時代早期〜後期(9000年前〜3000年前)にかけて、6000年という長期間にわたり、縄文人の生活の痕跡が残された、地域の拠点だった縄文遺跡です。
早期前半の尖底土器、前期後半の貯蔵庫、中期前半の10mを超える大型建物跡、後期前半の配石遺構、竪穴建物跡群と時代の変遷による変化もわかる貴重な遺跡。
垣ノ島遺跡から発掘される集落では、耐久性があり長期間居住できる竪穴住居による居住域と、土坑墓からなる墓域が分けられ、日常の生活空間と非日常の空間が区別されていたことがわかっています。
早期後半の合葬墓から出土した副葬品のなかに、子供の足を押しつけた足形付土版があり、垣ノ島遺跡特有の精神文化を今に伝えています(足形付土版=縄文時代早期から晩期の北海道から東北地方にかけて出土)。
子供が無事に育つことを祈って作られたと推測され、死んだ子どもの形見、あるいは親が先立った時にその子供の思い出の品として入られたともいわれ、実際にはどうだったのかは定かでありません。
漁網用の重りとして使用したと推測される石錘(せきすい)が多数出土することから、漁業資源が豊富だった豊かな食生活も垣間見ることができます。
紀元前2000年頃(4000年前)に構築された全長190mに及ぶ「コ」(U)の字形をした大規模な盛土遺構は、国内最大級の規模で、祭祀・儀礼の場と推測されています(1000年以上の長期間にわたり構築されていたことも判明)。
垣ノ島遺跡の内陸側には、ガイダンス施設の函館市縄文文化交流センターがあり、大船遺跡、垣ノ島遺跡の出土品が展示解説されるほか、も北海道唯一の国宝「中空土偶」も展示されています。
垣ノ島遺跡 | |
名称 | 垣ノ島遺跡/かきのしまいせき |
所在地 | 北海道函館市臼尻町 |
関連HP | 函館市公式ホームページ |
電車・バスで | JR函館駅から函館バス鹿部出張所行きで1時間25分、垣ノ島遺跡下下車、徒歩7分 |
ドライブで | 函館空港から約28km。道央自動車道大沼公園ICから約40km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 函館市縄文文化交流センター TEL:0138-25-2030/FAX:0138-25-2033 |
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