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白虎隊十九士の墓

白虎隊十九士の墓

福島県会津若松市の飯盛山(いいもりやま)にある16歳〜17歳で編成された白虎隊(びゃっこたい)の墓所が白虎隊十九士の墓。藩校・日新館に学び、飯盛山で自刃した白虎隊・士中二番隊19名の墓。自刃した20名のうち、飯沼貞夫は奇跡的に命をとりとめ、戊辰戦争に巻き込まれた悲劇の全貌が明らかに。

飯盛山で自刃した白虎隊士中二番隊19名の墓

中国の伝説の神獣である「白虎」(四神のひとつで西方を守護)からその名をとった白虎隊。
京都守護職を務めた松平容保(まつだいらかたもり)が時の藩主で、藩祖・保科正之の遺訓である「徳川家への忠誠」を重んじる会津藩は、旧幕府勢力の中心的な存在となっていました(新選組も会津藩御預)。
そのため、薩長を中心とする新政府軍は、奥羽越列藩同盟(東北諸藩の薩長を中心とする新政府軍に反する同盟)のなかでも会津藩の討伐を重要視し、慶応4年(1868年)7月に磐城平藩、三春藩、二本松藩、長岡藩が敗退後、総力を上げて会津に向かいます。

慶応4年8月23日(1868年10月8日)、ついに会津城下へと新政府軍(会津では今も「西軍」と称しています)が侵入、会津藩は籠城を決め、城下の会津藩の家臣たちは婦女子や子供に至るまで戦闘に参加しているのです。
本来は、藩主の護衛という役割だった白虎隊ですが、士中二番隊は戸ノ口原の戦いに参加し、新政府軍の近代的な兵制と銃に太刀打ちできず、終焉の地となる飯盛山へと落ち延びます。

飯盛山で自刃した19名の遺骸は、新政府軍(西軍)の命で、当初は逆賊として葬ることすらできなかったのだとか。
3ヶ月ほど後になって村人により、密かに妙国寺(藩主・松平容保謹慎の寺)に仮埋葬され、後に自刃地近くに改葬されています。

現在の墓地は明治23年に整備されたもの。
十九士の墓の横には会津各地で戦い、命を落とした白虎隊士31名の墓も築かれているほか、白虎隊自刃の地近くには、喉を突きながらも一命をとりとめた飯沼貞吉の墓もあります。

少年武士慰霊碑、会津藩殉難烈婦の碑は本来は非戦闘員であるはずの少年や婦女子が、戦渦に巻き込まれたことを表しています。

白虎隊は鶴ヶ城周辺の火災を鶴ヶ城焼失と見間違えたという説もありますが、飯沼貞吉の手記『白虎隊顛末略記』によれば、敵に捕まり生き恥をさらすことを望まなかった隊員らが自決を決行したものだったと記されています(士中二番隊は上級武士の子で、白虎隊の中でも忠君、殉死的な思想がありました)。

明治23年に墓地が整備されていますが、その後、日清戦争、日露戦争と富国強兵が進むなか、逆賊だった白虎隊は、旧薩長中心の明治政府により、「忠君愛国の鑑」として見直されることに。
墓地が造られた明治23年も、「主権在君」の教育勅語(「教育ニ関スル勅語」)が出された年なのです。

白虎隊十九士の墓
名称 白虎隊十九士の墓/びゃっこたいじゅうきゅうしのはか
所在地 福島県会津若松市一箕町八幡弁天下
関連HP 会津若松観光ビューロー公式ホームページ
電車・バスで JR会津若松駅からまちなか周遊バスあかべぇで4分、飯盛山下下車、徒歩3分
ドライブで 磐越自動車道会津若松ICから約5km
駐車場 飯盛山市営観光客無料駐車場(70台/無料)を利用
問い合わせ 会津若松観光ビューロー TEL:0242-23-8000
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

白虎隊自刃の地

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飯盛山『白虎隊墓前祭』|会津若松市|2024

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飯盛山

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