福島県喜多方市(きたかたし)、大正末期に中国・浙江省(せっこうしょう)から日本へやって来た潘欽星(ばんきんせい)氏が屋台から始めたという喜多方ラーメンの元祖の店が、源来軒。昭和元年創業ですが、店を構える前に2年ほど屋台で手打ちラーメンを売っていたという、まさにルーツの店です。
屋台から始まった喜多方ラーメンの元祖
源来軒では、今も昔も手打ちラーメンと手作り餃子が人気ですが、「ラーメンの味は屋台時代と変わらない」とのこと。
手打ちだからこそ真夜中(深夜1:00〜2:00頃)に起きて打ち始めるのだとか。
「雪深い喜多方では出前に時間がかかるため、麺の水分を多くして麺がのびるのをの防ぎました。水分を増やすと麺がモチモチになったのです」(2代目店主・星欽二さん)。
スープも国産黒豚、鶏ガラ、煮干し、日高昆布、野菜などを煮込むという手の込んだもの。
餃子の皮ももちろん手づくりです。
2代目の星欽二さんは横浜中華街で中華料理の修業をしたということで、中華料理もメニューに加わっています。
人気店ですが、手作りゆえに「支店なんか出せません」とキッパリ。
喜多方ラーメンの真髄とは!?
潘欽星氏の製麺は、麺を青竹を使ってのし板の上で延ばし、それを刃物で麺の形状に切るという桿麺という方法。
それを手でもんで縮らせます。
明治43年、東京・浅草で創業した、日本初のラーメン店「来々軒」(昭和19年に閉店)も昭和の初めまでは同じく中国式の手延べでした。
終戦後の喜多方では、戦前から営業している人に加え、中国からの引揚者が大陸で学んだ技術を元にラーメン店を開店。
こうして現在のラーメン店分布の原型ができあがったのです。
昭和50年代末頃から、喜多方市がラーメンの街としてPRを展開、昭和60年のNHK『おはようジャーナル ラーメンの香りただよう蔵の街』の全国放送で、一気にラーメン全国区のブランド入りを果たしています。
麺は、札幌ラーメンと同様に水を多く加えてしっかり寝かせたもちもちの麺(平打ち熟成多加水麺)。
麺と奥の深いスープのバランスが喜多方ラーメンの真髄ですが、源来軒に行けば、その絶妙なバランスが味わえるのです。
源来軒 | |
名称 | 源来軒/げんらいけん |
所在地 | 福島県喜多方市一本木上7745 |
電車・バスで | JR喜多方駅から徒歩7分 |
ドライブで | 磐越自動車道会津若松ICから約16km。または、会津坂下ICから約17.6km |
駐車場 | 18台/無料 |
問い合わせ | 源来軒 TEL:0241-22-0091 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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