茨城県大子町(だいごまち)、福島県棚倉町の境に位置する茨城県の最高峰が八溝山(やみぞさん/1022.0m)。大子町側(南側)から茨城県道248号(八溝山公園線)が山頂近くまで到達しています。途中には坂東三十三観音霊場の第21番札所・日輪寺があります。また、八溝林道(八溝嶺神社参道)が山頂直下まで伸びています。
山頂周辺はブナやダケカンバの森
空海(弘法大師)が山頂に立ち、谷が8に分かれ、山水が八方に流れ落ちるのを見て、八溝嶺と名付けたのが名の由来とされますが、空海が東国に足を伸ばしたという歴史的な裏付けはありません。
古来から雨乞いなどの信仰の山で、山頂に豊作祈願の神であり、平安時代編纂の『延喜式神名帳』に記載される八溝嶺神社(やみぞみねじんじゃ)が鎮座。
8合目付近に八溝五水(金性水、鉄水、龍毛水、白毛水、銀性水)があり、八溝川源流の「八溝川湧水群」として環境省の名水百選に選定されています。
八溝山の山頂には高さ16.5mの城郭風展望台が建ち、快晴なら東京スカイツリー、富士山、筑波山、日光・奥日光の山々、那須連山、磐梯山も視認できます。
山頂一帯(標高750m以上)にはブナ、ミズナラ、カエデ類、シデ類の原生林が広がり、水源涵養保安林、奥久慈県立自然公園1種特別地域、鳥獣保護区に指定されています。
茨城県内随一の温帯性落葉広葉樹林で、ダケカンバの群落は茨城県唯一のもの。
阿武隈山地に分布しているオヤリハグマの南限であり、八溝山はツガの北限になっています。
つまり、冷温帯性落葉広葉樹林の代表種であるブナと本来は亜高山帯のダケカンバ(日本国内では森林限界を構成する樹種)やツガが生育する希少な場所となっているのです。
地質的には、八溝古期岩類と呼ばれる中古生層(砂岩、頁岩、チャート)から成り立っています。
ハイキングは、日輪寺入口〜日輪寺〜八溝山頂〜八丁坂〜金性水〜日輪寺入口と歩いて5km、所要1時間30分。
八溝山 | |
名称 | 八溝山/やみぞさん |
所在地 | 茨城県久慈郡大子町上野宮・福島県東白川郡棚倉町戸中 |
関連HP | 大子町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR常陸大子駅から40分 |
ドライブで | 常磐自動車道那珂ICから約72km |
駐車場 | 富士見が丘駐車場、山頂駐車場を利用 |
問い合わせ | 大子町観光協会 TEL:0295-72-0285/FAX:0295-72-0963 |
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