茨城県坂東市と常総市との境に位置するのが、菅生沼。南北5km、東西の幅は200m~500mという細長い沼で、冬季に越冬する300羽近いコハクチョウを観察する白鳥飛来の沼として有名です。餌となるマコモなどの水生植物を目的に、毎年10月末頃に飛来し、3月初旬まで観察できます。
菅生沼天神山公園、菅生沼ふれあい広場で白鳥を観察
菅生沼には飯沼川、江川(利根川水系飯沼川支流の一級河川)、東仁連川(ひがしにれかわ)という3本の川が流れ込んでおり、水は菅生沼を経て菅生沼の最下流の法師戸水門(昭和30年に逆流防止を目的として建設、平成15年に改築)で利根川に注いでいます。
これらの河川は、江戸時代に一帯の湿地(縄文時代は古鬼怒湾と称される海でした)を水田に転換するために掘削された人工の河川で、菅生沼は、今も大雨による洪水を防ぐための遊水池としての役割を担っています(周辺に残される新田という地名は、江戸時代の新田開発の名残)。
地域の新田開発は進みましたが、土砂の堆積などで利根川の逆流が生じることで、明治33年に菅生沼の途中に反町閘門を築いています(法師戸水門の設置で役割を失っていますが、反町閘門から上流を上沼と呼んでいます)。
反町閘門は、「ミュージアムパーク茨城県自然博物館」の敷地内に保存され、見学が可能。
昭和20年代に比べ、湿地が多くなり沼の面積は大幅に減少していますが、菅生沼一帯は貴重な自然が残り、232haにおよぶ茨城県最大の自然環境保全地域に指定。
コハクチョウの観察は、菅生沼全域で可能ですが、国道354号に近く駐車場も整備される菅生沼天神山公園(坂東市神田山)、「ミュージアムパーク茨城県自然博物館」(坂東市大崎)付近、南側の菅生沼ふれあい広場(常総市菅生町)がおすすめスポットです。
白鳥は、スポット間を行き来きしているので、いない場合もあります。
天神山公園と菅生沼ふれあい広場間は4kmほど離れているので、車での移動が必要。
菅生沼 | |
名称 | 菅生沼/すがおぬま |
所在地 | 茨城県坂東市神田山 |
関連HP | 坂東市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 東武鐵道愛宕駅から茨急バスで18分、辺田三叉路下車、徒歩25分 |
ドライブで | 常磐自動車道谷和原ICから約11km |
駐車場 | あり/無料 |
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