サイトアイコン ニッポン旅マガジン

九谷セラミック・ラボラトリー

九谷セラミック・ラボラトリー

石川県小松市若杉町にある製土工場・ギャラリー・体験工房・レンタル工房・外土間を兼ね揃えた、複合型の九谷焼文化施設が、九谷セラミック・ラボラトリー(通称・セラボクタニ)。九谷焼づくりに欠かせない磁器土を60年以上に渡って製造する製土工場が施設内にて稼働し、見学が可能。

陶土づくりから作品まで、九谷焼の制作過程を学ぶ

江戸時代後期に花坂(現・小松市花坂)で発見された陶石(花坂陶石)が、明治時代に海外に輸出された色絵陶磁器「ジャパンクタニ」を支えたのです。
それ以前のいわゆる「古九谷」は、九谷村(現・加賀市)で陶石が発見され、窯が築かれたのが始まりですが、50年ほどで絶えています。
その後、加賀藩は金沢に春日山窯を開き、九谷焼を再興させますが、金沢には原料となる陶石がなく、文化8年(1811年)、春日山窯の陶工・本多貞吉(ほんだていきち)がたどり着いたのが、花坂だったのです。
良質の陶石を見つけた本多貞吉は、若杉村十村の林八兵衛の協力を得て花坂にほど近い地で若杉窯を築き、九谷焼再興の基盤をつくります。

「花坂陶石があったから、今の九谷焼がある」とまでいわれるのはそのため。
花坂陶石は比較的鉄分が多く、焼くと青みがかった色になるのが特徴で、今も「真の九谷焼は、花坂陶石を使ったもの」という人までいるほどです。

九谷焼産地のなかでも現在、陶石の採掘から粘土をつくる製土所があるのは小松市内のみ。
九谷焼の作家が小松市内に多いのは、そんな理由が背景にあるから。

九谷セラミック・ラボラトリーでは、花坂陶石の粉砕から陶土が完成するまで、質の高い磁器土を製造する工程を間近で見学することが可能。
ギャラリースペースでは、そんな陶土を成形し、九谷焼が焼成されるまでの製造工程を学ぶことができる常設展示が行なわれ、新進気鋭の作家たちによる期間限定の作品展なども随時開催されています。

体験工房では、ろくろ体験や手びねりでの成形体験、絵付け体験などが可能(予約が必要な体験メニューもあります)。
若手作家の育成を目的に作られたレンタル工房も備え、見学もでき、「伝統は守るものではなく、創っていくもの」という思いを垣間見ることができます。

ちなみに、九谷セラミック・ラボラトリーの建物は、新国立競技場を手がけた隈研吾の設計。

九谷セラミック・ラボラトリー
名称 九谷セラミック・ラボラトリー/くたにせらみっく・らぼらとりー
所在地 石川県小松市若杉町ア91
関連HP 九谷セラミック・ラボラトリー公式ホームページ
電車・バスで JR小松駅からタクシーで10分
ドライブで 北陸自動車道能美根上スマートICから約10km
駐車場 あり/無料
問い合わせ 九谷セラミック・ラボラトリー TEL:0761-48-4235/FAX:0761-48-4230
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

KUTANism 2023(九谷焼の芸術祭クタニズム2023)|能美市・⼩松市

2023年10月6日(金)~11月5日(日)、⽯川県が誇る伝統⼯芸「九⾕焼」の魅⼒を世界に伝える芸術祭「KUTANism(クタニズム)」を、九⾕焼の産地である能美市・⼩松市を舞台に開催。2023年で5回目となるイベントで、「九谷焼を現地で楽

KAM能美市九谷焼美術館・五彩館

石川県能美市、九谷焼の窯元、九谷陶芸村、石川県立九谷焼技術研修所、九谷焼のショップなどに囲まれて建つのが、KAM能美市九谷焼美術館。江戸時代から続く数々の名品の数々を展示する五彩館(ごさいかん)を中心に、浅蔵五十吉記念館、体験館、職人工房に

KAM能美市九谷焼美術館・体験館

明治時代に海外輸出された「ジャパンクタニ」の産地、石川県能美市。そんな歴史を背景に、KAM能美市九谷焼美術館の別館として建てられたのが体験館。外来で気軽に九谷焼の手ひねりやロクロ、上絵付けが体験できる体験施設で、本格的な陶芸にチャレンジする

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了