蒸気機関車(SL)、電気機関車(EL)、ディーゼル機関車(DL)は、動力源の違いによる区別。現在電化区間で貨車などを牽引するのが電気機関車、非電化区間がディーゼル機関車ですが、では気動車とは何でしょう。鉄道ファンに聞いても「ディゼルカー!」よ答える人が多いのですが、実は間違った認識です。
かつて走っていたガソリンカーも気動車の仲間!

気動車とは、非電化区間で、内燃機関を動力源として、自力で走行する鉄道車両のこと。
日本民営鉄道協会は、「内燃機関を動力源として用い自力で走行する車両のことを『内燃動車』といいます。『気動車』はその通称」と定義しています。
「じゃあ、ディゼルカーで正解では!?」と思いがちですが、動力源として蒸気機関を用いた気動車を蒸気動車、ガソリンを燃料にしたガソリン動車も気動車の仲間。
実は日本国内にもかつては「ガソリンカー」(ガソリン動車)が走っていた時代があり、戦後も福島県磐梯山山麓、猪苗代町(いなわしろまち)の磐梯急行電鉄が姿を消す1969年まで、磐梯急行電鉄でガソ101という気動車(ガソリンカー)が活躍していました。
1950年にニッサン製の自動車用ガソリンエンジンに置き換わりましたが、このガソ101が、国内最後のガソリンカーになっています。
足尾銅山も最盛期にはA型フォードエンジン搭載のガソリンカーが活躍していました。
現在、4月〜11月の第1土・日曜にガソリンカーが運転されています。
海外では、戦後もガスタービンエンジンを搭載した「ガスタービン動車」(気動車の仲間です)が導入されたこともありますが、日本には導入されることはありませんでした。
現在、国内を走る気動車は、ディーゼルカーだけですが、JR東海HC85系気動車(特急「ひだ」)のようにエンジンによる発電機と蓄電池を併用し、電動機で走行するハイブリッド気動車も誕生しています。
あまり知られていませんが、運転士は電車(甲種電気車運転免許)、気動車(甲種内燃車運転免許)では免許が異なりますが、このハイブリッド気動車ではどちらか片方の免許を保有し、あらかじめ講習を受ければ運転できる仕組みで、まさに進化系の気動車になっています。
さらに近年では、従来の熱機関に該当しない電気動力車の蓄電池・燃料電池車両もあり、JR東日本では烏山線用EV-E301系や男鹿線用EV-E801系など非電化区間で活躍していますが、JRも「蓄電池駆動電車」としており、気動車には含まれません。
すでにこうした内燃機関による区分が前時代的になっている証なのかもしれません。

鉄道ファンも意外に正解は少数! 気動車って何!? | |
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