神奈川県横須賀市、三浦海岸の背後に広がる丘陵地が武山、砲台山、三浦富士。武山の東にある砲台山と通称される大塚山(204m)は、一帯の最高峰で、戦前に海軍の武山高角砲台が配置されていたことで砲台山と呼ばれています。今も高角砲の砲座の跡が山上に残され、東京湾と帝都を守備する貴重な戦争遺跡になっています。
横須賀軍港、帝都防衛を担った高角砲(高射砲)の砲座が現存
明治17年12月15日、横須賀には日本海軍の鎮守府、通称、横鎮(よこちん)が置かれ、敗戦まで軍都・軍港として機能しています(横須賀線も横須賀軍港への鉄道として敷設)。
昭和16年11月20日、横須賀海軍警備隊が設置されていますが、砲台山に築かれた砲台は、横須賀海軍警備隊第四高角砲大隊の武山高角砲台です。
昭和17年10月、四〇口径三年式八糎高角砲(8センチ高角砲)が4門が山上に設置され、昭和20年に要地防空用に開発した五式十二糎七高角砲(長12.7センチ高角砲)2基4門に変更されています。
尾根には照明によって目標を直接照らし出すステレオ式110糎探照灯2基が設置され、サ式4米高角測距儀で射撃を行なうための諸元の取得を行なう仕組でした。
そのため100名以上の人員が山上に配され、まさに要塞となっていました。
高々度を飛ぶアメリカの艦載攻撃機に対し、高角砲(高射砲)で迎撃したのです。
太平洋戦争の敗戦後、朝鮮戦争が勃発したため、アメリカ軍が接収し、ヘリコプター訓練場となっています。
その後、山上は再整備され、高角砲座の場所に第三管区海上保安部武山電信所が設置されていますが、金網で囲まれた電信所の周辺に、すり鉢状の2基の高角砲座、砲側弾薬庫(すり鉢状の砲座側面に開けられた8個の四角い穴)、探照灯の台座や計算所跡のコンクリート柱などの遺構が現存しています。
直接、津久井観光農園側から直接砲台山(大塚山)に登るハイキングコースもありますが、武山・武山不動〜砲台山〜三浦富士を結ぶ縦走を楽しむのが一般的です。
武山・砲台山・三浦富士「三山縦走コース」
津久井浜駅〜(徒歩20分)〜津久井浜観光農園〜(徒歩30分)〜武山・武山不動〜(徒歩20分)〜砲台山〜(徒歩20分)〜三浦富士〜(徒歩40分)〜津久井浜駅
砲台山 | |
名称 | 砲台山/ほうだいやま |
所在地 | 神奈川県横須賀市津久井5丁目 |
関連HP | 横須賀市公式ホームページ |
電車・バスで | 京急長沢駅から徒歩1時間10分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 横須賀市観光案内所 TELl:046-822-8301 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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