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津照寺(四国八十八ヶ所霊場第25番札所)

室戸市役所近くの室津港を眼下にする高台に建つ真言宗豊山派の古刹が津照寺(しんしょうじ)。空海の開基と伝えられ、四国八十八ヶ所霊場25番札所。本尊の延命地蔵菩薩(秘仏)も、漁業と海上の安全を祈願して空海が自ら刻んだものと伝えられます。

漁業の安全と豊漁を祈願して作られた古刹

室津とは室戸の津の意で、807(大同2)年、『土佐日記』を記した紀貫之も934(承平4)年に京に帰る際、室戸岬が回れずに室戸の津で10日間滞留しています。

津照寺は、『今昔物語』にも室戸・津寺(つでら)の記載があり、今でも地元では津寺と呼んでいます。
多くの旅人が航海の無事を祈願した文字通り、津を照らす寺。

中世には長宗我部氏、近世には土佐藩主・山内家の保護を受け、繁栄しました。
本尊の延命地蔵菩薩は、1602(慶長7)年、室戸沖で難破しかかった山内一豊(初代土佐藩主)を僧に化けて室津湊へ導いたと伝えらる伝説の仏様で、今も海難よけの揖取地蔵(かじとりじぞう)として信仰を集めています。

明治の神仏分離令で一時、廃寺となりましたが、明治16年に再興。
本堂は昭和50年、大師堂は昭和38年完成の再建。
参道から本堂へは125段の石段を上る苦行がまっています。

参道の横手、山の中腹にある一木神社は、土佐藩の家臣、一木権兵衛を祀る神社。
一木権兵衛は1661(寛永元)年、総工費10万両、のべ173万人を要して港の入口をふさぐ巨岩を取り除く室津湊改修の大工事をする際に命を海神に捧げることを誓ってようやく完遂し、工事完成の翌日に切腹し果てた人物。
村人が一木権兵衛を手厚く祀ったのが一木神社です。

霊場間の距離・時間

24番札所・最御崎寺(高知県室戸市室戸岬町) — (6km/15分) — 25番札所・津照寺(高知県室戸市室津) — (5km/15分) — 26番札所・金剛頂寺(高知県室戸市元乙)


取材・画像協力/(公財)高知県観光コンベンション協会

津照寺(四国八十八ヶ所霊場第25番札所)
名称津照寺(四国八十八ヶ所霊場第25番札所)/しんしょうじ
Temple 25: Shinshoji
所在地高知県室戸市室津2652-イ
関連HP四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスで土佐くろしお鉄道後免奈半利線奈半利駅から東部交通バス甲浦行きで1時間、室戸岬下車、徒歩5分
ドライブで高知自動車道南国ICから約72km。神戸淡路鳴門自動車道鳴門ICから約132km
駐車場室戸港広場駐車場を利用/無料、駐車場から徒歩5分
問い合わせ 津照寺 TEL:0887-23-0025
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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