最御崎寺(四国八十八ヶ所霊場第24番札所)

最御崎寺(ほつみさきじ)は807(大同2)年に、弘法大師(空海)により開山されたと伝えられる古刹。室戸山(むろとざん)明星院(みょうじょういん)最御崎寺が正式名で、四国八十八ヶ所霊場第24番札所。土佐国で最初の札所で、第26番札所の金剛頂寺を西寺と呼ぶのに対し、東寺と呼ばれています。

室戸岬の海ゆかりの聖地に建つ古刹

空海は室戸岬の海蝕洞・御厨人窟で、虚空蔵求聞持法に励みましたが、807(大同2)年に、嵯峨天皇の勅願を受けて本尊である虚空蔵菩薩(秘仏のため拝観は不可)を刻み、最御崎寺を開いています。

江戸時代までは女人禁制で、女性は岬からの登拝口脇にあった女人堂から拝んでいました。
明治初年の廃仏毀釈、神仏分離令で荒廃しますが、大正3年に再興。

霊宝殿には、平安時代後期の作で国の重要文化財にも指定されている仏像3体を収蔵。
霊宝殿の仏像は例年11月初旬に行なわれる『室戸岬灯台まつり』開催時に一般公開されています。
また、境内には「空海の七不思議」といわれ、石でたたくと鐘のような音がするという「鐘石」があるのでお見逃しなく。

宿坊である室戸岬最御崎寺遍路センターを併設。
室戸岬東側には空海が虚空蔵求聞持法を修した御厨人窟(みくろど)があり、番外札所となっています。

霊場間の距離・時間

23番札所・薬王寺(徳島県海部郡美波町奥河内寺前) — (75km/2時間) — 24番札所・最御崎寺(高知県室戸市室戸岬町) — (6km/15分) — 25番札所・津照寺(高知県室戸市室津)


取材・画像協力/高知県

最御崎寺(四国八十八ヶ所霊場第24番札所)
名称最御崎寺(四国八十八ヶ所霊場第24番札所)/ほつみさきじ
Temple 24: Hotsumisakiji
所在地高知県室戸市室戸岬町4058-1
関連HP四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスで土佐くろしお鉄道後免奈半利線奈半利駅から東部交通バス甲浦行きで1時間、室戸岬下車、徒歩20分
ドライブで高知自動車道南国ICから約81.5km。または、神戸淡路鳴門自動車道鳴門ICから約139km
駐車場37台/無料
問い合わせ最御崎寺 TEL:0887-23-0024/FAX:0887-22-0055
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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